CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>
※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
顔文字教室
RECOMMEND
RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK
CATEGORIES
ARCHIVES
NHK時計
※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
Yahoo!ニュース
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS

隊長日誌

『ゾンビ大陸アフリカン』『セルビアン・フィルム』鑑賞
0
    『ゾンビ大陸アフリカン』公式サイト
    アフリカでゾンビが大量に発生、最後の米軍機が脱出するが、整備中に襲われて給油していなかった為に、墜落。エンジニアのブライアン達三人が海岸に辿り着くがゾンビに囲まれ、一人は仲間を見捨てて逃走、一人は足を怪我して動けないところを食いちぎられ、ブライアンはしがみ付いていた木箱の中の拳銃等の装備を取り出して辛くも脱出する。ブライアンはおんぼろの軽トラックを修理・給油してタイヤをはめて逃走。途中道路にハマって危機に陥るが、西アフリカ軍の兵士デンベレによって助けられる。故郷の村が滅び、ゾンビ化した母を射殺したデンベレは、兵士と共に脱出した一人息子を探していたのだ。飛行機での脱出を図るブライアンは、車と引き換えに、基地まで案内してもらう事にする。途中故郷と共に死ぬ覚悟を決めた兵士と村民たちの守る村で休憩した二人は基地へ向かって旅を続けるが、途中で事故って車軸を折り、徒歩で旅する羽目になってしまう。
    野宿した二人は交代で不寝番も立てんと熟睡し、警報装置代わりの鳴子の音に気付かずゾンビ達に襲われ、デンベレは致命傷を負い、死亡してしまう。再び一人となったブライアンは「悪魔の爪」と呼ばれる遊牧民も避ける巨大な岩山を超え、ようやく基地に辿り着く。しかし一般市民ばかりいる基地はゾンビに囲まれ、風前の灯だった。ブライアンは無線機でようやく米軍基地の旧友・フランクと連絡を付けるが、既に米軍基地もゾンビ達によって陥落寸前で救援を出せる状態に無く、ブライアンの妻と娘も亡くなった事を知る(それ以前に息子も亡くしていたらしいが)。そしてフェンスのブロックを崩してゾンビ達が基地に潜入、ブライアンは生ける屍の如く立ちすくむが、偶然デンベレの息子と遭遇し、デンベレの言っていた「希望」という言葉を思い出すのだった。
    もう何が嬉しいって、本作はゾンビがのたのた歩く、古式ゆかしいゾンビなんですな(しかもメイクは『吸血ゾンビ』っぽかったり)。だから走れば逃げられるけれども、水も食料も燃料も足りず、広いアフリカの地を移動して、ちょっと立ち止まっているといつの間にか囲まれているという、パトリシア・ハイスミス『かたつむり』みたいな恐怖感があったりして。最初は時系列がよく分からなかったりする部分もあるし、低予算なのが見え見えでテキサスやネバダの砂漠あたりで適当に撮ったのかなあと思ったら、ちゃんとガーナとかで撮影した、本物のアフリカ。行けども行けどもゾンビのいる広大な荒れ地のアフリカという舞台設定自体の絶望感、主人公二人とも笑いもせずにひたすら逃避行を続ける、ハリウッドゾンビ映画とは違う、ちょっと諦観の漂った異色な雰囲気が、なかなかに魅力的でした。エキサイティングな娯楽作品ではなく、ドラマ的にも薄い作品ではありませんが、テンポが良く、なかなかに楽しめる佳作という感じ。しかしこの前観たゾンビ映画『L.A.ゾンビ』も黒人ゾンビだったよなあ。

    『セルビアン・フィルム』公式サイト
    元ポルノ映画男優・ミロシュは引退し、妻マリアと息子と幸せに生活していた。そんな中、友人の元ポルノ女優・レイラから謎の男・ヴィクミルを紹介される。ヴィクミルの豪邸に入る彼とすれ違いに出て行った禿の中年男は、彼を見て意味ありげに笑う。ヴィクミルは「ポルノは芸術だ」と雄弁に語りながら、仕事内容を一切教えないまま、巨額のギャラを餌にミロシュに契約書にサインを迫る。結局承諾したミロシュだが、撮影は奇怪なものだった。いきなり孤児院に連れて行かれ、イヤホンから聞こえて来る指示通りに、カメラを構える屈強な男達の前で、演技をするミロシュ。彼の前で、美少女を巡って喧嘩する女優二人。監禁こそされないものの、撮影は常軌を逸していく。少女が見つめる中、アバズレ母親役の女にペニスを噛まれ、彼女を殴りつける演技を要求され、ミロシュは警官の兄マルコにヴィクミルの素性を探ってもらうよう依頼する。ミロシュが警官という安定した職業に就いている事を羨んでいるように、性的能力に劣ったマルコはミロシュを羨ましがり、そしてマリアに心を寄せていた。調査の結果、ヴィクミルはそしてミロシュは精神学に通じ、国家保安局に勤めていたキャリアを持っているものの、日本で行方不明になった事があり、何の映画を撮っているのかは分からないとの事だった。ミロシュは意を決して仕事を断るが、ヴィクミルは「我々は犠牲者なのだ」と狂気にも似た信念をさらけ出す。そしてその作品として、産まれたばかりの赤ん坊を屈強な男がレイプし、それを見た赤ん坊の母親が大笑いするというビデオを見せる。ミロシュは飛び出すが、ヴィクミルに飲まされた酒に何かが入っていたのか。性欲の塊に、突然車に寄って来た黒髪の女の胸を窓越しに揉みだし……気が付くと、血まみれで彼は自宅のベッドに横たわっていた。そして日付は三日経っていて、家には妻も息子もいなかった。何が起きたのか? 彼はバールを手にヴィクミルの邸に忍び込むが、邸には誰もおらず、ヴィクミルの書斎からビデオカメラとテープを盗み出す。そしてそれを再生し、彼は三日間の自分の行動を辿っていく。
    黒髪の女は、ヴィクミルの手先だった。性欲増進剤と覚醒剤を打たれた彼は性欲の塊となり、ベッドに縛り付けられたアバズレ女役の女優をバックから荒々しく犯し、ヴィクミルの言うがまま、彼女を背後から切りつけてその首を落として殺害していたのだ。そして気を失った彼はボディガードによって犯され、彼の身を案じて抗議したレイラは、ペンチで全ての歯を抜かれ、覆面の男によってフェラチオを強要されてそのまま殺害されていた。そしてミロシュは美少女の家に連れて行かれ、彼女とセックスをさせられそうになるが、その瞬間に窓を破って逃走する。しかし薬物によって性欲の権化となっていた彼は、兄マルコに助けを求めるものの、街中できわどい格好をして歩く少女を見て自慰行為を開始し、不良達にリンチされていたところをボディガードに見つかり、連れ戻される。そしてミロシュはさらに薬を打とうとする黒髪の女の注射器を奪って、彼女の首筋に注射を行って倒し、逃亡を図る。しかし連れ戻された彼は、広間に連行され、ヴィクミル達の構えるカメラの前で、覆面して俯せに拘束された女と子供を犯しまくり、いつの間にかその横には覆面の男が並んで腰を振っていた。そしてヴィクミルは男の覆面を剥ぐ。男の正体は兄マルコだった。そしてマルコが犯していたのは妻のマリア、ミロシュが犯していたのは自分の幼い息子だった。泡を吹いて放心する息子。ヴィクミル「これがセルビアの家族だ!」。そこに黒髪の女が乱入して来る。彼女は鉄パイプで自慰行為を繰り返しており、股間を血に濡らしたま倒れて絶命する。一瞬の隙を突いてミロシュはヴィクミルに飛びかかり、彼の頭を床に打ちつける。「これぞ私の作品だ!」と歓喜のうちに絶命するヴィクミル。ナイフでマルコを殺害するマリア。飛びかかってくるボディガード達の拳銃を奪い、二人を射殺し、撃たれても向かってくるスキンヘッドを殴り続け、彼の潰れた左目の眼孔にペニスを挿入して倒すミロシュ。そしてミロシュは泣き叫ぶマリアを倒し、息子と共に自宅に連れ帰り、地下室に閉じ込める。彼は拳銃で自殺しようとするが、4回引き金を引いても弾が出ず、そのままベッドに倒れこみ気絶していたのだ。
    全てを知ったミロシュは妻と子を助け出し、放心したまま共に最後の晩餐をし、ベッドにミロシュ・息子・マリアという形で横になり、マリアの背中から拳銃を撃ち、一家心中する。全てが終わったのか。いや、三人の死体の前に、ヴィクミルの邸ですれ違った禿の中年男と二人の屈強な若い男が、カメラを構えて立っていた。向かって左の男が、ズボンを脱ぎ出す。「まずは、ガキからだ」。

    セルビアといえばドイツ軍による虐殺、凄惨な民族紛争と血生臭い歴史があり、その辺はヴィクミルの示唆するように、この映画が「セルビアの映画」なのだろう。ただその辺の風刺は抜きにしても、まあ見ているだけでえげつない描写の連続で、嫌な気分になってくる。もっともこちらとて世界に冠たるhentai国家(ヴィクミルが一度日本で消息を絶っているというのが笑ってしまう)、団鬼六や鬼畜ゲームで慣れた身としては(慣れたくねーよ)、ゴアシーンがビデオの中や記憶のカットバックのみということもあり、『ホステル』のような「主人公がこれから起きる拷問にリアルタイムに痛めつけられる」演出ではないので怖くないし、ミロシュが顔を隠した相手の前に引きずり出された時点で、今井正『武士道残酷物語』の目隠しして自分の妻と娘の首を刎ねさせられた武士を想起して、あまりきつさを感じず。とはいえ普通に見れば十分キツい内容であり、元ポルノ男優というあまり表に出せない経歴の持ち主ながら、良き家族に恵まれ、彼らの為に懸命に頑張った結果が自身も含めてすべての家族を地獄に落としてしまうストーリーは凄惨ながら、構成がしっかりとしている点には感心させられる。特にラストのミロシュ達が自殺する所は安堵感さえ漂うが、そこにとどめとして容赦ないオチを入れるあたりの展開はさすがである。二度と観たいとは思えない作品だし、繰り返し観るなら『ホステル』に劣るが、好事家ならば一度は通らなければならない作品であろう。
    | 映画・TV | 23:53 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    『金正日』鑑賞
    0
      昨年の金正日死去に便乗して、渡辺文樹が油野美術館東京分室で急遽再上映会決定! しかし場所が分かりづらい。横道の入ってさらに横道のビルの一室って、そりゃ確かに分室だけれど……。ロケンロールなオリジナルTシャツ制作請け負い店の近く、と覚えておく。しかも狭い。20個ぐらい並んでいる折り畳み三脚椅子はしんどい。
      以前は1本1400円の入場料が今は1000円。あいにくの雨だったので赤ん坊背負った奥さんと娘さん(大きくなったなあ)が階段で券とかパンフとか売っていたけれど、晴れていたら外の長机で売っていたらしく、大変ですな。
      今回は1/17〜1/23まで毎夕トークショー付き、但しゲストが「元連合赤軍リンチ殺人犯」「元連合赤軍真田銃砲店強奪犯」「大成建設銃発砲犯」とか、何なんだ(笑)。私が行った時は強奪犯の雪野建作氏がゲストだったけれど、まー、「だから俺は反対したんだ、言った通りだろ」みたいな話が多い反面、他の連合赤軍の回顧録に載っていないような貴重な話も多く、このあたりは好きな人にはたまらんでしょうな。25分もオーバーして映画の上映が19時半ぐらいからになったのは迷惑だったけれど(笑)。

      映画は一言で言うと、特殊部隊もの。要するに低予算のマカロニコンバットにありがちな、少人数の特殊部隊を編成して、敵地に潜入して要人救出というアレですな。
      で、冒頭、北朝鮮軍の将校(異様に帽子のツバが広くて、コック帽の感じ)の乗ったヘリ。何か「陸上自衛隊」と書いてあったような。気のせい、気のせい。ただの飛んでいるヘリを撮っただけなので、遠くてよく見えないし。
      で、どこかの狭い部屋で爺さんと眼鏡かけた男が会談。……話しているうちに、その二人が金日成と金正日親子である事が判明。似てねーよ。で「お前を後継に選んだのは失敗だった」「俺は後継者として立派にやってる」「俺が復帰するのも一つの手段だ」「引退しろよ、糞爺ぃ」みたいな会話が交わされて、激昂した日成が心臓発作を起こして苦しむのを正日が銃でとどめ。そこに部屋の外に控えていた警護の軍人が乱入して正日を射殺。以上、金正日の出番終わり。……えー。
      で、アメリカ国旗がはためいているビル。当然これは文樹的にはアメリカの政府機関ということになる。その一室で、日本語吹き替えの白人(たぶんCIA)が文樹と会話。文樹お得意の、会話で全てを説明劇です。で、金正日はダブル(替え玉)で今のは二人目だ、日米欧露中みんなその事を知っている、とにかく文樹発案のプランを実行に移す、自衛隊から精鋭を集めて拉致被害者を救出だ!
      そして自衛隊の朝鮮系兵士10人が集められ、ヒゲ面のカトーの下、フィルードアスレチックス秘密キャンプで特訓。しかし米軍に馬鹿にされた一人が便所で教官を射殺して自殺。憤り任務に疑問を抱く隊員台詞では14人9人に文樹が「俺もこのプランは無茶だと思う。反対だ。辞めても良いぞ」と言い、隊員全員がそちらに傾くが、そこでカトーが「日露戦争で工作した明石大佐になれ!君たち一人が一つの国を説き伏せて、北朝鮮を解放するんだ!」との大熱弁(これは真面目に必聴。凄まじく熱い)にほだされ、全員が作戦続行を支持。しかし3日の休暇を与えられて帰宅した一人が金に困って朝鮮総連に情報を売ろうとした事が判明。ここで先程のトークショーの話が生きてくるのか? その一人を全員が取り囲み、自決を強要。親を残して死ねんと抵抗する隊員を全員が自己批判と総括を強要し罵り、見事自決に追い込む。そして責任を感じたカトーもその拳銃で自殺。
      でー、文樹(57歳)が指揮官として投入。潜水艦の模型の艦橋がチラッと映った後、既に全員が北朝鮮の海岸に! そして検問を突破した部隊は交換の集うホテルへ。「お名前を」「あっ!」白々しくインク壺をこぼして切り抜けた文樹達は、ホテルの一室に住む日本人拉致被害者達を確保。そしてトラックで米軍ヘリの降下地点に行くが、皆さん自分たちを見捨てた日本なんぞに興味はなく、めぐみさんやら八重子さんやら激怒して「私の故郷は北朝鮮だ!」と文樹達を罵る。でまあ、文樹映画だからヘリなんぞ降りて来る訳が無く、文樹達は捨て石にされた事を知る。
      そして北朝鮮軍に包囲され、列車(蒸気機関車)に押し込められた文樹と拉致被害者達はそこに北朝鮮軍将校、そこに居合わせた正日の愛人(美人)と、金正恩(イケメン)を人質に取り、列車での逃亡を開始。
      この辺でフィルム交換の休憩。たぶん1時間半ぐらい経っていたはず。手動のフィルム巻き器で文樹がぐるぐるフィルムを巻いた後、第二部スタート。「あと1時間、宜しくお願いします」。嘘つき。さらに80分ぐらいあったぞ。
      蒸気機関車が走る中、福島の地元の老人達北朝鮮の国民が日本人に怒って鍬や鋤を持って追っかけてくるとか、追跡列車が追いかけてくるとか色々ある中、文樹達はロシア国境へ逃亡しようとする。しかし米軍機北朝鮮の戦闘機が飛んで来て、ミサイル攻撃! 正恩は「私の代になったらこの国を自由に良くする」とかいきなり人柄の良さをアピールして退場。そして将校の脅しに屈した潜入スパイが正日の愛人を連れて逃亡! 何とか正日の愛人を連れ戻した文樹だが、後ろからは北朝鮮軍の追跡部隊が! 走り出す列車を追いかける文樹はそこで後ろから撃たれ、無念の戦死。生き残った兵士と拉致被害者を載せた列車はロシアにたどり着けるか? その時!

      ……いや、このラストは色々な意味でひどすぎる(笑)。あまりのひどさに監督に直接「あのラストは××が××に××されて××したんですか?」と尋ねたら、その通り。苦情来ても知らんぞ(笑、っちゃいけないんだが)。

      文樹映画の旧作『天皇伝説』『ノモンハン』、『三島由紀夫』『赤報隊』あたりは事実上二部作で3時間以上する長尺で、本作は2時間半強ぐらいか。
      文樹映画の特徴として、文樹主演、何でも台詞で説明する、しかもその台詞が聞き取りにくい、編集が雑で話がどう展開しているのかが理解できず、鑑賞者複数で相互に情報交換しないと理解できないとかあるのだが、本作もそれは同じ。何か大学みたいな建物が映ったらそれは政府機関の重要拠点なんだ、と観客が気を遣って先読みしないといけない。ふざけるな!(笑)
      そんな感じで映像的には蒸気機関車の型番がC20だったりC62だったりと場面が切り替わる度に違っている、ヘリや戦闘機はどこかで飛んでいるのをロングショットで撮影しただけ、北朝鮮軍がM16を使っている、銃を撃つシーンは銃口から火花が花火みたいに派手にシューシュー噴き出ている、自衛隊員は迷彩服のデザインやズボンがバラバラで「U.S.NAVY」なんて書いてあって、北朝鮮兵士は全員退役軍人みたいな年寄り、「貴様は朝鮮語を話せるな」「イエッサー」みたいな会話をしておきながら結局北朝鮮人と日本語で会話する、そもそも金日成と金正日が全然似ていない、こんな感じで全編これツッコミどころというか、高校の映研かよ!と言いたくなるような映像のオンパレードである。途中の休憩で若い女の子二人が帰ってしまったのも無理からぬ話である。

      とこれだけ言いつつ、この映画、意外や面白い。文樹映画は前述の通りとにかく分かりづらい。しかも編集も粗いので、場面転換が乱暴で、本当によく分からない。だから山本薩夫の社会派を意識した『三島由紀夫』『赤報隊』当たりはもう眠気との戦いのような作品だったのだが、今回は後半を列車での逃亡という作劇に絞ったのが功を奏して、テンポの良い作劇もあり、緊張感を持って最後まで観る事ができた。何か自分で書いていて矛盾している気がするが、その通りだから仕方がない。今回の作品は、文樹映画としては明快な娯楽作品に徹していて、最後まで飽きずに観られた(←どれだけハードルを下げているんだ)。もっと編集に気を遣い、音声をクリアにして、適切な字幕でも入れれば、一皮剥けるんだけれどなあ。
      それでも変な製作委員会の作ったワケワカな企画作品に比べれば、文樹のやる気がヒシヒシと感じられる本作には好感を持たざるを得ない。御年57歳の文樹が、若い女性をお姫さまだっこして、足場の悪い崖道を降りるシーンは、もう文樹ダイナミズムの真髄であるといえるかもしれない(女優さんの方が怖いよ)。これでトークショー付きで1000円なら、安いもの。次回作も期待しております。いや、人には勧めないけれどさ。
      | 映画・TV | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      梶芽衣子様64歳ライブ+佐藤蛾次郎
      0
        梶芽衣子トークショー&ライブ〜日比谷に想いをよせて〜

        はい、今年5月に新譜(といっても7曲27分のミニアルバムだけれど)を出した梶芽衣子様のトークショー&ミニライブが開催ということで、日比谷図書文化館に行って参りました。日比谷図書文化館リニューアル第1回特別展の<日比谷が熱く燃えた日 団塊の青春グラフィティ>の一環だそうです。最近コンサート付いてますな。>俺
        19時開始、3000円、190名限定なれど指定でなく自由席という事で、18時半過ぎに到着。チケぴとかで販売していたようだけれど、一階の受付で当日券購入。そのまま地下の大ホールへ。真ん中当たりの空席を見付けて潜り込む。客の入りはほぼ満席でしょうか。やはり団塊世代のアイドルという事もあってか、周辺は白髪頭か禿親父がほとんどですな。だが、それがいい。
        19時に開演。共同通信社編集委員の立花珠樹氏が出て来て、「本来なら記事を書かなきゃいけないんですが、会うことを優先しました」云々。トークが巧いですな。
        という感じで、梶芽衣子様登場。紅のハンカチーフを左胸ポケットに差した黒のスーツに黒いシャツ、そしてサングラスに頭にこれまた黒のバンダナ。どうも6日前に階段から落ちて怪我したとの事で、瘤がまだ残っているらしい。久しぶりなのにお美しいお姿を完全に拝見できなくて、残念。でも中止にならなくて良かった。ただそのせいか、ごめんなさい、はっきり言って声が近所の床屋の婆さんみたいで、さすがにご自分で再三強調する64歳という年齢を感じさせましたわ。
        それから『あいつの好きそなブルース』から3曲。これが歌になると、前のような艶は減ったものの、実に見事な声量。主に新曲中心なれど、『一番星ブルース』のカバーが絶品。どうしてこう、孤独なつぶやきの歌とかは合うんでしょうか。嗚呼、梶芽衣子様。
        19:25ぐらいで歌終了後、トークショー。立花氏の相槌も巧いが、とにかく饒舌に喋る喋る。日比谷公園でアイスを食べている時にスカウトされた事、近所に日活本社があって松竹以外の映画会社もあるのでこの周辺はよく来ていた事、そして改名時は当時の日活のホテルで発表した事、酒が飲めないのにロケ先で助監督に飲まされて翌日アレルギーで顔がひどい事になって撮影中止になった事、撮影所からの帰り道、スターの乗る車を横目に見ながら渡哲也と舗装されていない埃っぽい畑道を駅まで歩いた事、事務所を移ってからのマネージャーが若尾文子を担当していて増村保造監督と縁があった事、『曽根崎心中』は宇崎竜童が12月に19日しかスケジュールが取れずに原作を決めないといけないのに提案する書籍がみんなダメ出し喰らっていたのに、マネージャーが出した『曽根崎心中』があっさり決まった事、金がないので宇崎竜童にタダで音楽やって貰った事、その後音沙汰無しで新譜の作曲を頼んだら怒られた事、『銀蝶渡り鳥』は女性版『ハスラー』とプロデューサーに言われて洋服で撮影を進めていたら、藤純子引退でいきなり着物を持って来られてその場の砂利道で撮影されてあの有名な写真は大嫌い、等々。従来スルーしがちだった『さそり』話も今回は饒舌。「今回は嘘つかない、現代劇だ」と原作漫画渡されたら怖いんで伊藤監督に「一言も喋りません」と蹴られる覚悟で言ったら一週間ぐらい監督が考えてOKした事、服装とかは自前で考えて漫画チックにした事など。『キルビル』の時も平尾事務所から歌を使うと言われてOKして、3年ぐらい経って映画が出来たとか、タランティーノ来日時に「梶芽衣子に会わせる」という要求が本人抜きで合意されていた事、で、来日時にホテルのワンフロアを巡回する形での記者会見に30分ぐらい付き合ったら、握手して座ってそのままタランティーノがずっと手を握ったまま離さず「気持ち悪い」とかあんまりな御言葉(観客爆笑)。
        でー、20:10辺りでトークショー打ち切りで、歌3曲。トリは「私はお祝いの曲を持ってないんですよ」云々と言いながら、待ってました!『怨み節』! 生で聴くのは二度目なれど、もう感激。聞き惚れてしまいましたわ。終了後アンコールの拍手に、舞台袖から立花氏と腕組んで登場し、挨拶して20:20ぐらいで終了。そこで客席後方左手から、花束を持った佐藤蛾次郎氏が登場! 場内沸騰。後、松竹の竹田プロデューサーも。
        いやもう、『女の呪文』『別にどうってことでなし』を聴きたいというのは別として、梶芽衣子様、フルスロットルで実に素晴らしいというか面白い90分弱でした。帰り際も、お客さん達大喜びで、「改めてファンになった」と熱弁していたオヤジとかいて激しく同意。先着という条件なれどミニサイン色紙付きだったので、販売していた新譜も買っちゃいましたよ。これで2枚目。俺も二枚目だから構わんッ。
        「来年もやりたい」とおっしゃってましたが、はい、是非お願いします! 嗚呼、梶芽衣子様、梶芽衣子様。
        | 映画・TV | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        ゴブリン来日
        0
          イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル秋の陣2011―夢のまた夢
          まー、色々あるけれど、要はゴブリンが来日コンサートというので、川崎のクラブチネッタまで行って参りました。18時会場、19時開始ということなれど、物販があるので、なるべく早めに行くのが吉。実際、ゴブリンの限定Tシャツは売り切れていたし。ちなみに10名に抽選で色紙が当たりますよ。
          んで、19時よりTHE TRIP。ごめんなさい、俺よくわかんね。20時に終了。20分休憩というアナウンスがあったのだけれど、10分しかなかったような。
          20時10分より、ゴブリンの演奏開始。
          ゴブリンと言えばシモネッティ、モランテ、モランゴロー、ビニャテッリがやはりゴールデンメンバーだと思うのだが、この辺りはメンバーが入れ替わり立ち替わりで、シモネッティが抜けて2000年に解散したと思えば、モランテとモランゴローとピニャテッリがバック・トゥ・ザ・ゴブリンを結成してまた解散、モランゴローとピニャテッリがゴブリン・リバースとして活動する中、今回来日したのはシモネッティとモランテ、その他三人のメンバーである。ちなみにシモネッティはモランゴローらとは完全に決別したらしく、ゴールデンメンバーでの再結成は夢のまた夢のようで。
          演奏はステージ向かって左にシモネッティ、真ん中にギターのモランテ。
          最初に『サスペリア2』(メインテーマではない)、その後『ローラー』『マークの幻想の旅』等の地味目の曲が続いた後、21時ぐらいから『ゾンビ』メインテーマとゾンビ、『サスペリア』『シャドー』『フェノミナ』『サスペリア2』あたりが演奏され、後半はノリノリに。個人的には『アクアマン』をやって欲しかったのだが。
          ただ、気になったのが全部アレンジが加えられているのですな。デモニカ時代のシモネッティのアルバムを聴いた時も感じたのだが、オリジナルがピアノ曲でも行けるような繊細で技巧的な曲調なのに、これをハードロック調にアレンジするのはどうも違和感が。つーか、ベースとドラム掻き鳴らして、キーボードのシモネッティとギターのモランテが何か手を抜いているように見えるんですな。真ん中に立っているのに、モランテの空気っぷりが妙に目立つというか(『サスペリア2』のメインテーマでは殆どソロに近いけれど)。まあ音楽に関しては素人なので、そういう印象を受けたという感じで。つーか、誰か否定して。今度は出来れば変にアレンジしないで、オリジナルで演奏してくれないかしらんと思いましたことよ。
          まあそんな感じですが、とにかく生でゴブリンのメンバー、そして『ゾンビ』のテーマをノリノリで聴けたので、おいちゃんはうれしかったです。考えてみれば観客の殆どが30〜50代のオッサンばかりで、何か氷川や韓流のコンサートに群がるオバハンを笑えんぞ、こりゃ。21時40分に終了。
          その後20分休憩で、最期にPFM登場。背景に無声映画や土人の儀式(何か縄でターザンごっこしたり、フィールドアスレチックスみたいなのを楽しんでいる)やベニスの洪水の映像をバックに、演奏。ゴブリンと違ってオヤジギターが力一杯演奏していて、個人的には曲は地味なものの、バンドとしての完成度は高いかなーと。一度終わった後アンコールで登場、客をいぢりまくって、結局2曲スタンディングオベーション。んー、トリにふさわしく、気持ちよござんした。
          おかげで終了したのが23時半。何とか京急川崎の23時48分発の最終特急に間に合いましたが、終電の関係か、途中で席を立った人がいたのには同情致します。
          | 映画・TV | 23:59 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
          『世界侵略:ロサンゼルス決戦』『ラスト・エクソシズム』『猿の惑星:創世記』鑑賞
          0
            TOHOシネマ1000円デーなので、ハシゴ。今回はなかなか佳作揃いでした。以下、全部ネタバレします。
            『世界侵略:ロサンゼルス決戦』公式サイト
            東京を皮切りに、世界中の大都市沿岸に宇宙から飛行物体が墜落。それらが人工物であり侵略の可能性があると、米国は軍隊による迎撃を準備。年齢と部下を死に追いやった経験から退役を予定していたナンツ二等軍曹(アーロン・エッカート)は、士官学校出のマルチネス少尉率いる小隊に組み込まれ、出撃。落下物からはエイリアンの歩兵が続々と上陸し、ロサンゼルスは火の海になっていく。ナンツ等は3時間後の空爆までに、戦闘地帯の警察署に残された民間人を救出して帰還するミッションを受ける。交戦し、生存者や残存兵と合流しながらナンツ等は進むが、制空権を得たエイリアンによって救出のヘリは撃墜される。マルチネスの決断で一行はバスに乗って前線基地に戻ろうとし、ナンツは電波を追って標的を追跡する飛行物体を無線機でガソリンスタンドに誘導して爆破に成功する。しかし一般道は通れず、高速道路では出口が破壊されて降りられず、歩行兵器を持ち出して襲撃してきたエイリアンに苦戦を余儀なくされ、一行はマルチネスのバス自爆によって辛くも難を逃れる。しかし苦労して戻った前線基地は既に破壊された後だった。残存物資で補給した一行は、次の脱出ポイントを目指して後退するが、その途中にエイリアンの司令部があるとナンツは推察する。敵の司令部を破壊すれば、遠隔操縦されている敵の戦力の殆どは無力化できるのだ。脱出ヘリに乗ったものの、ナンツは一人突入を決意して地上に降り立つ。彼を追って生き残った兵士全員が付いてきた。地下の司令部を発見。爆破ポイントを無線機で報せた部下は吹き飛ばされた。レーザーサイトで誘導されたミサイルの攻撃を受け、敵司令部が地上に姿を現した。しかしミサイルは飛行物体の体当たりで落とされる。最後のミサイルを命中させる為に、ナンツ達は敵の猛攻を受けながら、飛行物体を撃墜死、死守したレーザーサイトによってミサイルを誘導、ついにとどめのミサイルが命中し、司令部は破壊される。ロサンゼルスで人類は優位に立ったのだ。前線基地に戻ったナンツ達は、休む間もなく、次の攻撃に向かうのだった。
            端的に言うと、『ブラックホーク・ダウン』の目的を要人暗殺から民間人救出に変え、敵をエイリアンに変え、『THE地球防衛軍』をパクったといったところか。特にクライマックスの縦長司令部母艦を見上げながら、攻撃を加えるシーンはそのまんまで、ちょっと笑っちゃいました。全体的に撃て行け撃て行けの繰り返しで、前半の潜入戦から徐々に盛り上げて、クライマックスに敵司令部というラスボスを設定しての、一小隊視点からの物語で、実に面白い。その分ドラマ部分は削ぎ落とされていて、冒頭の主要キャラの登場シーンも、わりとおざなりというか、投げっぱなし。まあ、この手の映画でヒロインとのダラダラしたメロドラマなんて、低予算映画の時間潰しの何物でもないからそれでよし。救出された民間人(マイケル・ペーニャ)が子供を守って戦死してナンツがその息子を励ます点と、かつてナンツによって兄を戦死させられた黒人兵との対立と和解という二点をそつなく入れてまとめている点だけで、十分合格。
            ただまあ、基本的には兵隊さん映画なので、「我々は民間人を決して見殺しにしない」とか、自己犠牲精神発揮の上官とか、優しく強くて人間的な主人公とか、お約束のシーンは苦笑もの。全滅させられたばかりの基地に敵兵がいなくて物資はたっぷり残っているとか、エイリアンの目的が水とか(霧島五郎さんですか?)、ご都合的な部分もチラホラ。
            個人的には今までネイティブアメリカン、次はロシア人、ベトナム人、イスラム系と来て、敵がエイリアンに変わったものの、相変わらず「敵兵は非人間的な凶悪な存在」という視点は変化なし。民間人をマイノリティ(移民?)に変えたところが時代だなあと感じさせますな。それもまたアメリカ的な上から目線の描写ともとれますが、まあ固いことは言いっこなし。非常に楽しめる作品でした。

            『ラスト・エクソシズム』公式サイト
            かねてから悪魔祓い=エクソシズムの弊害に疑問を感じ、インチキ悪祓いをしていたコットン牧師は、エクソシズムのインチキをバラす映画を撮ろうとするアイリスとダニエルのドキュメンタリー映画製作に協力をする。今回の目的は、アイヴァンウッドの農場主・ルイスの家。長男・ネイレブの敵視を受けつつ、コットンらはルイスから家畜が斬殺され、その犯人が娘のネルの仕業だとの相談を受ける。コットンらは音響の入ったレコーダーや電流を流す指輪を駆使しながらポルターガイスト現象を再現しつつ悪魔祓いの儀式を断行。謝礼をせしめて帰路に就く。……が、宿泊していたホテルにネルが現れる。そして帰宅してもケイレブの顔面をナイフで切り裂くネル。これはもう精神科医の領域だ。しかし妻を癌で死なせてしまったルイスは医師を信じず、むしろ悪魔に憑かれたネルを殺害して救おうとする。留守電に吹き込まれていた、ネルの妊娠。ルイスによる性的虐待を疑うアイリス達。そしてネルもまた、コットンが火に包まれ、アイリスがバラバにされ、ダニエルが首を切断される異様な絵を描き、猫を斬殺するなどの異常な行動を見せる。やむを得ず悪魔祓いをするコットン達の前で、ネルは全てを告白する。ネルは町で知り合ったローガンに妊娠させられていたのだ。ルイスやネルと馴染みの町のマンレー牧師に任せ、コットン達はローガンに会いに行く。しかしローガンはネルの話を全て否定する。そもそも彼は同性愛者だったのだ。ネルの告白は自分達を厄介払いする為の嘘だったのだ。ルイスの家に戻るコットン達だが、家はもぬけの空だ。そして森の方から、ネルの声が。駆け付けたコットン達が見たのは、縛り付けられたルイスの前で、ネルを生贄に、マンレー牧師が行うサバトだった。ネルから生まれる真っ赤な何か。そして何十メートルも吹き上がる炎の中に見える何か。アイリスの静止を聞かず、悪魔を倒し、ネルを救う為にサバトに突撃して行くコットン。アイリス達は森の中を逃げるが、アイリスはサタニスト達に惨殺された。そして一人カメラを持って逃げるダニエルは、ケイレブによって殺害される。
            『食人族』『ブレアウィッチ・プロジェクト』以降延々と続く、フェィクドキュメンタリーの一本。ただ、ズーム時のピントをぼやかしたりしているものの、全体的に素人っぽさが少なすぎて、フェイクっぽさは皆無。「行方不明になった撮影隊のフィルムを構成」とあるものの、きちんとカットインとか編集がされていて、その種の効果はないですな。そもそもあれだけ犯罪の証拠が写っているフィルムが処分されないで流出する事事態がおかしいし。
            全体的に低予算作品なのに『悪魔のいけにえ』で見せられたような南部の閉鎖性と狂気の雰囲気と描写は薄いものの、じわりじわりと物語が日常性を離れて行き、さまざまな推理と可能性を散らばせておいて、きれいに落ち着くかに見せて最後に『悪魔の追跡』的なストレートにオカルト映画物になる展開はお見事。というか、唖然。とはいえもう一回観たい映画かというと、ちょっと微妙。むしろ当時24歳?のアシュリー・ベルがうぶで清純な娘と悪魔憑きの狂人役を熱演していて、ここが最大の見物か。

            『猿の惑星:創世記』公式サイト
            製薬会社ジェネシスに勤めるウィルは、父・チャールズのアルツハイマーを治療する薬を開発するが、興奮したチンパンジーが社内で暴れ、開発は頓挫してしまい、実験用の猿も全て処分することになってしまう。その中にいた実験用猿の息子・シーザーを家に引き取ったウィルは、開発中の薬をチャールズに投与し、チャールズの痴呆は改善していく。しかし5年後、チャールズは再び病状が悪化。そして隣家のパイロットの車で事故を起こし、トラブルとなったところを救おうとしたシーザーが大暴れし、結果シーザーは猿の保護施設に収容される。そこでシーザーは他の猿や高圧的な施設主のドラ息子からの虐待を受ける中、持ち前の知能で他のゴリラやオランウータン達を手なずけて仲間としていき、とうとう建物内だけでなく外部への出入りも出来るようになっていく。一方ウィルはさらな強力な新薬を作るが、それは猿の知能を高めるものの、人間には伝染性のある、有毒な薬品だった。そしてその薬品により、ウィルの同僚のフランクリンが死亡し、ウィルの隣家のパイロットが感染する。一方ウィルはようやくシーザーを引き取れる事になるが、人間に絶望し仲間の猿との絆を深めたシーザーは、ウィルの家への帰宅を拒否する。そして夜、シーザーはウィルの家から盗み出した新薬を保護施設の猿に投与。瞬く間に施設を制圧し集団脱走したシーザー達は、動物園やジェネシス社を襲撃するなどして仲間を増やし、都市を暴走し、橋を抜けてかつてウィル達と訪れた森へ向かう。シーザーを追うウィル。シーザー達は橋の上で防衛線を築く警察を全滅させ、森の中に逃げ込む。そして追いかけて来て家に帰ろうと提案するウィルに対し、シーザーは「ノー」と答え、「ここが家だ」と、人間の言葉で語り、二人は決別する。しかしその頃、新薬に感染したパイロットは、そのまま海外へ旅立ち、世界中が致死性の毒に感染していくのだった。
            最初予告編で観た時に猿があまりにも普通の猿過ぎて面白くなかったのだが、シーザーの豊かな表情とか他の猿の演技を観ていたら、そんなどうでもよくなりましたわ。前半がちと長い感じもするが、物語を丁寧に進めているので、特に文句はなし。ヒロインの獣医・キャロラインが何かどうでもいい感じだけれど。
            むしろ残念なのは、ウィルとシーザーが決別し、シーザーが蜂起してから。いや、動物園やジェネシス社を襲ったからと言って、あの数には膨れ上がらんだろというツッコミではなく、スケールが違いすぎる点。結局本作は旧シリーズにおける『猿の惑星・征服』(と『新猿の惑星』)のリメイクというポジションになるのだが、オリジナルが低予算、当時20世紀フォックスがスタジオの用地を売却して立ったオフィスビル街で殆ど撮影しているにもかかわらず、猿の武装蜂起と都市制圧が今後世界中に広がって行く事を予言し、狂乱する猿達の前でシーザーが「猿の惑星が生まれたのだ!」と一席ぶってスケール感のある作品世界を構築していたのに対し、本作は結局、猿の集団脱走で、しかも森に逃げ込んで終わり、人類は伝染病でそのうち死滅するのだという、まあリアリティはこちらの方があるのだろうけれど、何とも消極的でちんまりとしたお話に終わってしまったのが惜しいというか、つまらん。この辺り、黒人の暴動が多発していた時代とはやはり感覚が違ってきてしまったんですかね。ちなみに保護施設にコーネリアスという猿がいたのが、ちょっとマニア向け。
            | 映画・TV | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            『インシディアス』鑑賞
            0
               公式サイト

              ジョシュとルネの夫婦は子供三人連れて引っ越すが、怪異現象が続き、息子のダルトンがはしごから落ちて昏睡状態になってしまう。さらにルネは家の中に何者かがうろついているのを目撃し、ダルトンのシーツに悪魔のような血の足跡を発見。ルネの要求に従って一家は引っ越すが、怪異現象は引っ越し先でも発生した。ルネの言葉をジョシュは信じないが、彼の母親のロレイン(バーバラ・ハーシー、笑)も夢の中で家の中をうろつく何者かを目撃。そしてロレイン旧知の霊能力者・エリーズの助手二人が調査したところ、波長を変えたカメラに笑顔の女が写る。
              以下ネタバレすると、乗り出して来たエリーズは家でなく、ダルトンに霊が付いてきていると断定。ダルトンは意識を失っているのではなく、幽体離脱して帰れなくなっているのだという。忠告するエリーズ達をペテン師と決めつけたジョシュは彼女たちを追い出すが、ダルトンの描いた絵が彼女の忠告を裏付けていたのを見て、彼女たちを呼び戻す。そして写真嫌いな助手の過去が語られる。ジョシュは8歳の頃に幽体離脱しており、写真を撮る度に、得体の知れない老婆が写り、それが近寄ってきていた。放置すればジョシュは乗っ取られてしまうということで、彼の記憶は封印されていたのだ。
              という訳で、エリーズ達の協力の下、ジョシュは幽体離脱。カンテラを片手に暗闇の中を進み、前の家に進入。ダルトンの絵にあった二階の赤い扉の中に、両脚を鎖で縛られていたダルトンを発見。ジョシュとダルトンは悪魔や悪霊達の追跡を振り切って逃げ帰るが、悪魔達は彼等を追って新居に攻め寄せて来た。ルネの声にジョシュは再び姿を現した老婆を撃退し、ダルトンは悪魔の追跡を振り切って意識を取り戻す。しかし異変に気付いたエリーズがジョシュを撮影したところ、激怒したジョシュは彼女を絞殺する。駆け付けたルネが見たのは、エリーズの死体と、老婆に乗っ取られたジョシュの画像だった。そして彼女の背後から、禍々しい声でジョシュが声を掛けるところで終幕。

              前半はだるいぐらいに幽霊屋敷物。それがエリーズが乗り出して来た当たりからあれよあれよの変な展開になり始め、最終的にはミニゾンビ軍団との戦いというか、『恐怖の足跡』のような展開に。レーティング指定もあるのだろうけれど、全体的にゴア描写等は薄目。顔が赤くて全身黒ずくめでカモシカの脚を持つ悪魔も壁を這って追いかけてくるシーンなどもわずかにあるが、基本的には家の中で出演者達がワイワイやっていて、後は演出よりも効果音でのコケ脅しが殆ど。あまりの地味さに、これって70年代のB級映画?と思ってしまう。エリーズの助手達が科学と機械(?)を駆使して調査をしたり、降霊会の時にエリーズがガスマスクのようなものを着けてそこから伸びるチューブが助手の耳元に装着されていて霊の言葉を代弁するといった面白い描写もあるが、この辺りは『ヘルハウス』の機械の方が面白いし。全体的に地味かつ時代遅れな作品でありました。レネ役のローズ・バーンはリー・トンプソンそっくりで懐かしかったけれど。
              | 映画・TV | 23:28 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              『南京!南京!』鑑賞
              0
                 公式サイト

                『南京の真実』第一部からもう3年以上経つのかー、何時になったら第二部をやるのかねーと思いつつ、中国製南京事件映画『南京!南京!』がようやく日本語字幕付きで上映会。どうも日本国内での配給契約はされていたもの、結局お蔵入りとなっていたようで、執念での上映会となった模様。いーじゃん、安倍元首相の始めた日中共同研究で犠牲者数は折り合いつかねど史実という事で決着が付いてるんだし。それ以外の問題か。

                つーわけで中野ZEROホールに行って参りましたが……ここ、遙か昔にピープロ作品上映会で生前のうしおそうじ氏の姿を見た所だったような。結局前売りを買い損ね、公式サイトには上映開始時刻が書いていないという感じなので、記憶を頼りに12時15分頃に到着したら、550席のホールが満員御礼札止め。えー、わざわざ次回作の撮影を中断してこの為に駆け付けてきた陸川監督のトークショーを見たかったですな。トークショー後、そのまま成田へとんぼ返りしたらしいし。まあ、こういう映画だから、周囲には婦人警官含めて警官が10人以上警邏していたけれど。代わりに『日本暗殺秘録』の上映会でご一緒した鈴木邦男氏が入り口で談笑していたり、帰り際に傘差して帰るのを見かけたり。
                そんな感じでサンモールとプラネタリウムで時間を潰しながら、16時15分開場・45分開始の二回目を鑑賞。客は七分入りといったところですかね。

                映画全編はモノクロ。盧溝橋事件に始まる日中戦争をドキュメンタリータッチで時系列に沿って教科書並みのシンプルさで説明した後、南京に進軍する下士官・角川と、ジョン・ラーベの下で働く、二人の娘を持つ唐を中心にした群像劇といったところか。もちろん多数の日本兵や中国人、安全区の外国人などが出て来るが、省略。南京陥落後機銃掃射やら生き埋めやらで大量の中国人が殺害された後、ラーベが中心とする安全区と日本軍の交渉、慰安婦・百合子をめぐる角川の愛、日本軍と取り引きする唐、安全区を潰すと脅され、避難民から女の供出を余儀なくされるラーベ側が描かれる。結局ラーベは日独関係をまずくするという理由で去る事を余儀なくされ、唐は二人の娘を殺害され、結局自らも処刑される。南京は開城され、日本兵達は太鼓を叩き、民謡を踊り、一大祭りとなる。そして数々の蛮行と百合子の死に苦しんだ角川は、処刑確実な中国人親子を逃すと、自決。去って行く親子は、生きていることの素晴らしさに笑顔を浮かべるのだった。

                ジョン・ウーの『南京1937』はスペクタクルな虐殺シーンを堪能できた反面、面でなく点の描写が目立ったが、本作は廃墟でのロケを多用し、寒々しい中国大陸と首都・南京の広さを感じさせる……というか、寒々しい、死体の転がる広々とした街区を掃討する数人の日本兵の小隊とか、銃撃されて隣の兵士が吹っ飛ぶシーンとか、『プライベート・ライアン』っぽい。
                本作がユニークなのは懊悩する日本兵・角川を配置した点と、陥落寸前の南京城から逃げる逃げないで、スクラムを組んだ国民軍兵士達と逃亡兵達が激突したり、鬼の日本兵と勇敢な中国人というステレオタイプにならなかった点か。特に日本兵はやはり怪しいところはあるものの、日本人役者と日本語指導が徹底されており、違和感は少ない。
                殺害描写は例のプロパガンダフィルムを彷彿とさせるシーンがあるものの、全体的に大人しめ。とはいえ姉を守ろうと日本兵にすがりついた幼女が窓から放り投げられて転落死させられるとか、やり殺された中国人慰安婦の全裸死体が数体リヤカーに積まれて日本兵の中を通り抜ける中、誰も目を止めないとか、結構じわじと来る。『ブラインドネス』でないが、安全区の女性が集められ、安全区の為に慰安婦志願者が一人一人手を挙げるシーンはかなりきつい。

                全体的に映画がモノクロなので、ミリタリーマニアでないと最初はどっちだかわからなかったりする。群像劇にしたものの結局角川が心を痛めたのは日本軍の蛮行なのか、慰安婦の死なのか曖昧で、何故中国人を助けて自害したのか、どうも本編との結び付きが弱い。祭りの描写も挿入する意図が分かりにくい。
                しかし一番気になったのは、南京事件の描写がドキュメンタリータッチのようで、結構曖昧な点。個別の事件を追っていたらTVシリーズ並みの長尺になってしまうから仕方がないものの、各描写は南京大学や漢口路小学校難民収容所での拉致強姦事件当たりがベースだと思うのだが、やはりかなり端折ったりまとめたりしていて、事件のリアリティをかえって薄めている感が強い。この辺、日付表記は維持して、ドキュメンタリータッチで攻めた方が、作品として締まりのある物になったと思うのだが。全体的に、角川の描写も含めて焦点がぼやけてしまった後半が惜しまれる作品といったところか。
                | 映画・TV | 23:45 | - | - | - | - |
                ぜーくーろーすー
                0
                  ライダー大集合!公式サイト
                  7/17〜19、仮面ライダーの中の人と着ぐるみの中の人と関係者を集めたイベントである。各種映画上映後、
                  宮内 洋×千波丈太郎、阿部征司
                  高杉俊介×岡田 勝×上田弘司、鈴木美潮
                  倉田てつを×田口 萌、鈴木美潮
                  菅田 俊×城谷光俊×中屋敷哲也、鈴木美潮
                  速水 亮×川崎龍治(撮影)×太田耕治(照明)、阿部征司
                  千葉治郎×左近洋一×新堀和男×岡崎 徹、鈴木美潮
                  佐々木剛×千葉治郎、阿部征司
                  荒木しげる×河原崎洋央×菊池 潔(大平特殊効果)、梅田味伸
                  というトークショーを行い、最終日は全員登場という案配である。さすがに1号やスカイは来てくれないようだが、俺の愛するライダーマンは鬼籍だし、アマゾンはまた出る出ないのトラブルでキャンセルになったり変更になったりでパス状態、さらに全日パス&最終回チケットは早々に完売(当日券も無し)し、要は本日のZXのトークショーしか観られないという事で、行って参りました。昨日が親の通院介助と映画上映で休み無しでの朝からモード、しんどかったわー。

                  とりあえず9時半開場に15分程遅れて到着、映画『仮面ライダー対ショッカー』『仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王』『 仮面ライダーストロンガー 』鑑賞。やはりイケイケの『対ショッカー』が面白いですな。ヒロインが戦闘員の集団に襲われて寄ってたかって服の背中を破られて野原に倒れその後電気拷問しまくり(されまくりでない)、幼女のフレアスカートパンチラ見せ放題と、別の意味の見せ場の方が興味深い駄作『銀河王』とかストロンガー7話ブロウアップ版が終わり、12時よりトークショースタート。
                  『ドラゴンロード』と共に、客席右後方から菅田俊登場!通路側の客と握手しながら、ステージに上がり、中屋敷氏と城谷氏登場。全員ハンドマイクを握らないで座って司会に注意された後、中屋敷氏が水のペットボトルを掴んで話すボケをかます。
                  その後スーパー1オーディション時のラッシュを上映。壁から飛び降りて戦闘員二人との擬闘、笑顔等の貴重な映像に垂涎。んで、中屋敷氏、客席で離れて観ているというボケをかます(基本的にボケとツッコミ担当)。
                  その後オーディション時の話を色々。菅田さん、高杉さんは「グリーンベレー」ではありません(笑)。さらに話がパンチパーマに移り、ネット情報を(後輩経由で)チェックしていた事を告白。

                  石森氏にサイン入り色紙を戴いたのに、別の封筒を持ち帰ってしまい、数年後に中身を見たら別のセル画が入っていた事が判明、石ノ森記念館にある色紙は自分の何ですとの事。
                  製作費が無いのでノーギャラと自腹切り話が連発され、ロケ地に行くのにバイクでロケバスの後を付いて行った事、さらにバイクで崖を降りるシーンで4サイクルだったので下のネジが抜けてオイルが漏れ、仕事と無関係の後輩のトラックで取りに行った事等、宇梶氏と宮内氏についてごにょごにょ。
                  ルミとの競演で年齢差がありすぎて、「ロリコンもいいとこです」という台詞には爆笑。
                  怪人総登場の時に怪人名を覚えていないので、「俺は一番だ」「俺は二番だ」で撮影したという話には笑い死ぬかと思った。
                  その後も中屋敷氏が話が一段落した頃に「時間ですか」と喜んでボケを入れ、本当に終わる時は「ええー!」と白々しいボケ。さらにライダー再演話に着ぐるみは無理だと言う城谷氏に中屋敷氏に「こう言いっとくんだよ」とマイクに入るように囁くなど、面白過ぎ。
                  その後抽選会となり(寄せ書き色紙や菅田氏ハンドメイドのポロシャツや村枝氏サイン入りポスター等)、イベント終了。最後は菅田・中屋敷・城谷氏が左後方出入り口に並び、退場する客に握手会。

                  んでー、『仮面ライダーZX』の個人的な疑問が一つ。
                  菅田氏は『仮面ライダースーパー1』のオーディション時に最終選考まで残り、その時に待合室で自分を発奮させるような台詞を話したところ、先に入った某氏(敢えて名は伏す)からその言葉が間違って伝えられ、面接した役員に「君は子供番組を舐めているそうだね」と叱責されたとか(それが影響したかは不明なれど、結局落選)。
                  で、映像本編で、バダンニウム輸送妨害にライダーマン・スーパー1組とZXが鉢合わせ、敵と勘違いしたZXが二人を相手に大暴れ、話し合おうとするスーパー1に「正々堂々と勝負しろ!」と叫ぶシーンがあるわけで。
                  これに因果関係はあるのかという質問をぶつけたら、即座に笑顔で否定していただきました。わはは、そりゃそうだ。誠実に答えてくださった菅田氏に感謝すると共に、この質問でちょいと待たせてしまった後ろの方に深くお詫び申し上げます。ごめんなさい。あー、でも長年の疑問が解けて、スッキリしたー。
                  しかし菅田氏、めっちゃ怖い外見なのに、話しっぷりがシャイで朴訥で、えらく人の良いおいちゃんでしたなー。ちょっと濡れた。
                  惜しまれるのは撮影・サインねだり禁止との事で、ちょいと残念(売店にはてつをのサイン色紙15750/5250/3150円がありましたが)。とはいえ実行委員会副委員長でプロデューサーの阿部征司氏がいらしたので、これ幸いとこちらにサインを戴きましたが。
                  | 映画・TV | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  『L.A. ZOMBIE』鑑賞
                  0
                    ブルース・ラ・ブルース写真展

                    で、『Otto; or, Up with Dead People』に続くゾンビ映画『L.A. ZOMBIE』を上映なので、覗いて来る。まー、一言で言うと、ガチムチ系ゾンビによるゲイ映画。ちなみに字幕無しの上映ですが、台詞は最小限、脇役ばかりなので、そんなに困りません。

                    冒頭、風景を流し撮りしたタイトルバックは普通に商業映画。音楽のセンスがフィリップ・グラス風で、非常に良い。でー、海の中からFrançois Sagat扮するゾンビ登場。メイク自体はドイツ表現主義以来の眼の周囲の隈を強調した感じで悪くないのだが……全裸でチンコが映る。あー!そういう映画。
                    軽トラを運転している若者、ゾンビを見付けて乗せてやる。直後、事故の音!だけで、若者は脚に大怪我、心臓剥き出しで苦悶した後に絶命。トラックから這い出してきたゾンビ、鰹節のようなチンコを引っ張り出し、若者の心臓部分に挿入しインアウト、ソースのような精液を射出したら若者が甦り……ゾンビ、ズボンをはいて余韻を残して去って行く……。
                    いやもう、この辺で場内(と言っても30人弱)は爆笑。以下、チンコで死者を甦らせるゾンビのエピソードが延々続く。
                    ホームレスのような生活をしていたゾンビ、運河で金を持ち逃げしようとして射殺された若者に気付き、その死体を河縁の巣(AVでお馴染みのマットが敷いてある)に引っ張り込み、チンコで復活させる。
                    車から捨てられた、額を撃ち抜かれた若者の額の穴にチンコを(以下略)。
                    のたれ死にしたホームレスのいる段ボールハウスに潜り込み、いきなり宮殿のように広く立派になった幻想の室内でバック攻めと尺八で(以下略)。
                    そして壁に一人を拘束吊りしたりして遊んでいるレザー系ゲイ4人が麻薬の取引のトラブルで血の海に沈んだ所に乱入、四人を復活させて乱交。
                    そして彷徨ったゾンビは、最後墓地で自らを埋め、映画は終わる。
                    正直よく分からん作品。ゾンビは軽トラに乗った時点で全裸だったり服を着ていたり、その後もゾンビだったり普通の人間だったり、レザーゲイのシーンでは一部始終を窓の外から見ているのだが、そのうち部屋の中に乱入した自分を見ていたり、ゾンビメイクも牙を生やしていたのが、顔中牙だらけのメイクになったり、とにかく唐突でデタラメ。が、それなりにムードはあるので、ビデオスルーのZ級ゾンビ映画よりはそこそこ楽しめる、といった所か。

                    その後トークショーでブルース監督作品の日本語ソフトをプロデュースしているという鈴木章浩監督と、田亀源五郎氏のトークショー(すんません、狙った訳じゃないんですが、椅子席が埋まっていたので、かぶりつき真ん前の座布団席になってしまいました、笑)。
                    姿が変わり、全く人から怖がられないゾンビという演出から、あれは本当のゾンビではない、監督のゾンビになって愛し合いたいという自己投影と比喩の演出ではないかという田亀解釈に対し、鈴木氏はあれは天使のような存在によるマイノリティ救済をイメージしたものではとの解釈を開陳。意味不明のカットの中で橋の上で寂しげにたたずむカットが良いとしながらも、レザーゲイのシーンで「ブルース監督と趣味が合わないと感じた、映画では拘束吊り男を降ろして愛し合うけれど、私なら吊ったままにする」という感想に爆笑。その後ブルース監督の8mm時代のゾンビ映画(男二人のゾンビが女一人を挟んで殺し合い、食い合い、愛し合う)が上映され、『L.A. ZOMBIE』はカニバルシーンが無いねーという話になり、鈴木監督がハードコア版が存在するという話をするという。興味深い話もありました。いや、あまり観たくないですが。

                    ゾンビが一体でうろうろするという点に、『ゾンビ・パパ』『マニアック・コップ』とか思い出し、体液によって死者を甦らすという演出で『悪魔の墓場』(こっちて使われるのは死者自身による血液だけれど)を思い出しましたが、『ブレインデッド』でゾンビ同士がセックスしてゾンビベビー誕生とかに比べれば、害が無いようなあるような。
                    個人的にはかつてのにっかつロマンポルノがポルノでさえあればSFでもスプラッターでも時代劇でもロードムービーでも容認したように、どの客層からも不満が出るという点を除けば、こういう作品もありかなと。内容的には宗教映画的であり、天から来た(海だけれどさ)神なり天使による復活と治癒、弱者救済の奇跡、そして役目を終えた神の使いが再び現世から離れる、というイメージなのかなあと思ったが(Los "Angels" Zombieだし)。そういう意味では鈴木氏の解釈に近いのですが、何か話を聞いていると、田亀氏の解釈の方が本質を突いているような気もしました。必見ではないけれど、観て損はないと思います。チンコと男同士のラブシーンに違和感を感じなければ。
                    個人的には、甦った軽トラの若者の前で、ゾンビがズボンを持ち上げて服を整え、去って行くシーンが妙に情感ありましたね。
                    | 映画・TV | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    戦闘獣ダンザニア
                    0
                       先年倒産した老舗の出版社・ケイブンシャは実に良質な書籍を作る出版社だったが、ゲームの攻略本と共にお世話になったのが、『全怪獣怪人大百科』である。ケイブンシャ倒産後某社から増補版が出版されたものの、それが追加分の図版が無いという凄まじい作りで、非難囂々、この路線に終止符を打ってしまった事を思い出す。
                      でまあ、この『全怪獣怪人大百科』、初期は特撮とアニメが混在しており、ガッパや白獅子仮面と共にロボットアニメの敵ロボットが紹介されていたり、まさに百科事典らしい混沌さが魅力的だったのだが、グレートマジンガー関連は設定画の図版を掲載していて、アニメそのものの写真を掲載するよりもカッコ良かったりする(そういえばマジンガーZがロケットパンチでグラトニオスを破壊しているという、ある意味感涙物の巻頭グラビアも掲載されていたような)。
                      その中で印象的だったのが、ダンザニアである。解説には「暗黒大将軍が指揮する最後の戦闘獣」と書かれていた。いやー、いいじゃないですか、「最後の戦闘獣」。『最後のジョーズ』とか『最後のアマゾネス』とか『地球最後の男』とか、ゾクゾクするキャッチじゃないですか。閑話休題。

                      ここで『グレートマジンガー』……というより、ミケーネ帝国と暗黒大将軍の解説をちょこっと。
                      敵組織であるミケーネ帝国は古代滅んだというか滅ばされた実在の存在だが、『グレート』ではその末裔が地下に逃げ延びたものの、陽の射さない地下生活で肉体が脆弱化し奇形が多く生まれるようになり、その対策として一族を機械の体で補強した結果が戦闘獣という設定になっている(コミカライズの設定が混ざっているかも)。なので『マジンガーZ』の機械獣と違い、彼らは人間であり、そして暗黒大将軍や地獄大元帥のように、顔が二つあるんですな(その設定が生かされたのが、ジュンの幼なじみが戦闘獣ゲルニカスに改造され、巨大な機械の体から生首一つ出して哀しい言葉を話し続ける『戦闘獣志願!! 逆光線に散った青春!!』ですな。トラウマ物です)。
                      そして暗黒大将軍というとこれがもう、叩き上げの現場の人間が管理職になると上役の無茶な要求や部下の不和とかに悩まされて実力を発揮できずに潰されてしまうパターンを地で行ってしまったような、典型的な駄目中間管理職で。だから自らが乗り出す『死闘!! 暗黒大将軍の最後!!』の暗黒大将軍は実に生き生きとしていて、傷ついたグレートマジンガーにとどめを刺すべく、周囲の制止を振り切って出撃、無数のミサイルの雨の中をグレートマジンガーめがけて走って行くシーンなど、当時の作画が追いついていないものの、ゾクゾクする程のカッコ良さである。
                      ただまあ、ここでも演出の都合とはいえ、わずか三体の戦闘獣だけ連れて、しかも最後の戦闘獣ダンザニアはまだ製造中で、ようやく出撃させたら既に先行していた二体は倒された後という、やっちゃいけない作戦をやってしまっているのである。

                      で、ようやく本論。この戦闘獣ダンザニア。『ゲッターロボ』の無敵戦艦ダイのように、もう歯が立たないような強さとは無縁。というか、あまりにも意味不明なのである。一応こいつは人間型戦闘銃なのだが(ミケーネ戦闘獣は暗黒大将軍直下の7大将軍率いる7つの軍団に大別されていて、人間型やら悪霊型やら魚類型やら爬虫類型やらがいる)、人間型のボディの上に、巨大な追尾ミサイルが載っかっているという、シンプルな戦闘獣である。実際出撃後、グレートマジンガーの背後からミサイルを発射、背中に大穴を開けて大ダメージを与えるものの、残された人間型ボディは特に武器などを装備している様子も無く、ただ走って行き、そのままグレートマジンガーによって真っ二つにされてしまうのである。
                      そしてこのダンザニア、きちんと顔のある人間型ボディの上に載せられたミサイルにも、顔が付いているのである。暗黒大将軍や超人将軍ユリシーズの本来の顔はボディの頭部でなく腹に付いており、地獄大元帥なら頭部の上にあるケースの中に本体のドクター・ヘルが収納されており、魚類型将軍アンゴラスは、額の突起(アンコウの発光部分)に本来の顔が付いているように、遠目に見た顔に相当する部分はダミーの顔というパターンが多い。
                      これらからすると、ダンザニアの本体はミサイル部分ではないか?という疑問が湧く。

                      暗黒大将軍は多少せこいところもあるが基本的には部下思いで、正攻法を重んじるキャラクターである。とはいえ負け戦で必勝を期さねばならないとなれば、かつて日本軍が爆弾を必中させる為に特攻を推進したように、「必ずグレートマジンガーに致命傷を与える」為に、操縦者が高速移動するミサイルとなって体当たりする戦闘獣を設計する可能性は否定できない。
                      もちろんダンザニア自身がそれを自ら望んだ可能性もあるが、残念ながら彼が戦闘獣になる経緯は省かれており、想像するしかない。
                      暗黒大将軍や先行した戦闘獣バニガン達との関係というか、絆の深さは? 改造前の彼のキャラクターは? そしてこのスタイルの戦闘獣になる事を彼は知っていたのか? 彼の意思はどうだったのか? 
                      あのデザインから見ると、もしかしたら完全に機械で作られた戦闘獣だったのかもしれない(実際暗黒大将軍はダンザニアのミサイルが炸裂しても命中した事を高笑いして喜ぶだけで、本体が真っ二つにされても消耗品が無くなった程度の表情しか見せていない)。

                      とはいえ、もしダンザニアがただ体当たりする為のミサイルとして改造され、出撃させられたのだとしたら。
                      この想像が事実ならば、これ程残酷な設計の戦闘獣も無いのではないか。彼は戦う為でなく、体当たりをする為に改造されたのである。まるで太平洋戦争時の特攻兵器・桜花のように、戦場に母機で運ばれて、後は敵めがけて体当たりしろと切り離される為だけに改造されたのである。そして完成直後に出撃させられ、先行するバニガンの為に「急げ急げ」とせかされて全力疾走し、敵の姿を見た瞬間、その身をぶち当てて果ててしまうのである。
                      だとすれば、ダンザニア搭乗時のBGMが物悲しいものだった事も得心が行く。彼はそれ単体では殆ど戦闘力0の特攻機に乗せられ、誰にも振り返られない、ただ捨て石となるだけの宿命を背負わされた特攻隊員のメタファーではないのか。
                      そういう仮定と想像が膨らんでしまう、戦闘獣ダンザニア。こういう事を考えるのはくだらないなあと思いつつ、やはりその姿には微妙な狂気と哀しみを感じてしまうのである。
                      | 映画・TV | 02:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |