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『金正日』鑑賞
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    昨年の金正日死去に便乗して、渡辺文樹が油野美術館東京分室で急遽再上映会決定! しかし場所が分かりづらい。横道の入ってさらに横道のビルの一室って、そりゃ確かに分室だけれど……。ロケンロールなオリジナルTシャツ制作請け負い店の近く、と覚えておく。しかも狭い。20個ぐらい並んでいる折り畳み三脚椅子はしんどい。
    以前は1本1400円の入場料が今は1000円。あいにくの雨だったので赤ん坊背負った奥さんと娘さん(大きくなったなあ)が階段で券とかパンフとか売っていたけれど、晴れていたら外の長机で売っていたらしく、大変ですな。
    今回は1/17〜1/23まで毎夕トークショー付き、但しゲストが「元連合赤軍リンチ殺人犯」「元連合赤軍真田銃砲店強奪犯」「大成建設銃発砲犯」とか、何なんだ(笑)。私が行った時は強奪犯の雪野建作氏がゲストだったけれど、まー、「だから俺は反対したんだ、言った通りだろ」みたいな話が多い反面、他の連合赤軍の回顧録に載っていないような貴重な話も多く、このあたりは好きな人にはたまらんでしょうな。25分もオーバーして映画の上映が19時半ぐらいからになったのは迷惑だったけれど(笑)。

    映画は一言で言うと、特殊部隊もの。要するに低予算のマカロニコンバットにありがちな、少人数の特殊部隊を編成して、敵地に潜入して要人救出というアレですな。
    で、冒頭、北朝鮮軍の将校(異様に帽子のツバが広くて、コック帽の感じ)の乗ったヘリ。何か「陸上自衛隊」と書いてあったような。気のせい、気のせい。ただの飛んでいるヘリを撮っただけなので、遠くてよく見えないし。
    で、どこかの狭い部屋で爺さんと眼鏡かけた男が会談。……話しているうちに、その二人が金日成と金正日親子である事が判明。似てねーよ。で「お前を後継に選んだのは失敗だった」「俺は後継者として立派にやってる」「俺が復帰するのも一つの手段だ」「引退しろよ、糞爺ぃ」みたいな会話が交わされて、激昂した日成が心臓発作を起こして苦しむのを正日が銃でとどめ。そこに部屋の外に控えていた警護の軍人が乱入して正日を射殺。以上、金正日の出番終わり。……えー。
    で、アメリカ国旗がはためいているビル。当然これは文樹的にはアメリカの政府機関ということになる。その一室で、日本語吹き替えの白人(たぶんCIA)が文樹と会話。文樹お得意の、会話で全てを説明劇です。で、金正日はダブル(替え玉)で今のは二人目だ、日米欧露中みんなその事を知っている、とにかく文樹発案のプランを実行に移す、自衛隊から精鋭を集めて拉致被害者を救出だ!
    そして自衛隊の朝鮮系兵士10人が集められ、ヒゲ面のカトーの下、フィルードアスレチックス秘密キャンプで特訓。しかし米軍に馬鹿にされた一人が便所で教官を射殺して自殺。憤り任務に疑問を抱く隊員台詞では14人9人に文樹が「俺もこのプランは無茶だと思う。反対だ。辞めても良いぞ」と言い、隊員全員がそちらに傾くが、そこでカトーが「日露戦争で工作した明石大佐になれ!君たち一人が一つの国を説き伏せて、北朝鮮を解放するんだ!」との大熱弁(これは真面目に必聴。凄まじく熱い)にほだされ、全員が作戦続行を支持。しかし3日の休暇を与えられて帰宅した一人が金に困って朝鮮総連に情報を売ろうとした事が判明。ここで先程のトークショーの話が生きてくるのか? その一人を全員が取り囲み、自決を強要。親を残して死ねんと抵抗する隊員を全員が自己批判と総括を強要し罵り、見事自決に追い込む。そして責任を感じたカトーもその拳銃で自殺。
    でー、文樹(57歳)が指揮官として投入。潜水艦の模型の艦橋がチラッと映った後、既に全員が北朝鮮の海岸に! そして検問を突破した部隊は交換の集うホテルへ。「お名前を」「あっ!」白々しくインク壺をこぼして切り抜けた文樹達は、ホテルの一室に住む日本人拉致被害者達を確保。そしてトラックで米軍ヘリの降下地点に行くが、皆さん自分たちを見捨てた日本なんぞに興味はなく、めぐみさんやら八重子さんやら激怒して「私の故郷は北朝鮮だ!」と文樹達を罵る。でまあ、文樹映画だからヘリなんぞ降りて来る訳が無く、文樹達は捨て石にされた事を知る。
    そして北朝鮮軍に包囲され、列車(蒸気機関車)に押し込められた文樹と拉致被害者達はそこに北朝鮮軍将校、そこに居合わせた正日の愛人(美人)と、金正恩(イケメン)を人質に取り、列車での逃亡を開始。
    この辺でフィルム交換の休憩。たぶん1時間半ぐらい経っていたはず。手動のフィルム巻き器で文樹がぐるぐるフィルムを巻いた後、第二部スタート。「あと1時間、宜しくお願いします」。嘘つき。さらに80分ぐらいあったぞ。
    蒸気機関車が走る中、福島の地元の老人達北朝鮮の国民が日本人に怒って鍬や鋤を持って追っかけてくるとか、追跡列車が追いかけてくるとか色々ある中、文樹達はロシア国境へ逃亡しようとする。しかし米軍機北朝鮮の戦闘機が飛んで来て、ミサイル攻撃! 正恩は「私の代になったらこの国を自由に良くする」とかいきなり人柄の良さをアピールして退場。そして将校の脅しに屈した潜入スパイが正日の愛人を連れて逃亡! 何とか正日の愛人を連れ戻した文樹だが、後ろからは北朝鮮軍の追跡部隊が! 走り出す列車を追いかける文樹はそこで後ろから撃たれ、無念の戦死。生き残った兵士と拉致被害者を載せた列車はロシアにたどり着けるか? その時!

    ……いや、このラストは色々な意味でひどすぎる(笑)。あまりのひどさに監督に直接「あのラストは××が××に××されて××したんですか?」と尋ねたら、その通り。苦情来ても知らんぞ(笑、っちゃいけないんだが)。

    文樹映画の旧作『天皇伝説』『ノモンハン』、『三島由紀夫』『赤報隊』あたりは事実上二部作で3時間以上する長尺で、本作は2時間半強ぐらいか。
    文樹映画の特徴として、文樹主演、何でも台詞で説明する、しかもその台詞が聞き取りにくい、編集が雑で話がどう展開しているのかが理解できず、鑑賞者複数で相互に情報交換しないと理解できないとかあるのだが、本作もそれは同じ。何か大学みたいな建物が映ったらそれは政府機関の重要拠点なんだ、と観客が気を遣って先読みしないといけない。ふざけるな!(笑)
    そんな感じで映像的には蒸気機関車の型番がC20だったりC62だったりと場面が切り替わる度に違っている、ヘリや戦闘機はどこかで飛んでいるのをロングショットで撮影しただけ、北朝鮮軍がM16を使っている、銃を撃つシーンは銃口から火花が花火みたいに派手にシューシュー噴き出ている、自衛隊員は迷彩服のデザインやズボンがバラバラで「U.S.NAVY」なんて書いてあって、北朝鮮兵士は全員退役軍人みたいな年寄り、「貴様は朝鮮語を話せるな」「イエッサー」みたいな会話をしておきながら結局北朝鮮人と日本語で会話する、そもそも金日成と金正日が全然似ていない、こんな感じで全編これツッコミどころというか、高校の映研かよ!と言いたくなるような映像のオンパレードである。途中の休憩で若い女の子二人が帰ってしまったのも無理からぬ話である。

    とこれだけ言いつつ、この映画、意外や面白い。文樹映画は前述の通りとにかく分かりづらい。しかも編集も粗いので、場面転換が乱暴で、本当によく分からない。だから山本薩夫の社会派を意識した『三島由紀夫』『赤報隊』当たりはもう眠気との戦いのような作品だったのだが、今回は後半を列車での逃亡という作劇に絞ったのが功を奏して、テンポの良い作劇もあり、緊張感を持って最後まで観る事ができた。何か自分で書いていて矛盾している気がするが、その通りだから仕方がない。今回の作品は、文樹映画としては明快な娯楽作品に徹していて、最後まで飽きずに観られた(←どれだけハードルを下げているんだ)。もっと編集に気を遣い、音声をクリアにして、適切な字幕でも入れれば、一皮剥けるんだけれどなあ。
    それでも変な製作委員会の作ったワケワカな企画作品に比べれば、文樹のやる気がヒシヒシと感じられる本作には好感を持たざるを得ない。御年57歳の文樹が、若い女性をお姫さまだっこして、足場の悪い崖道を降りるシーンは、もう文樹ダイナミズムの真髄であるといえるかもしれない(女優さんの方が怖いよ)。これでトークショー付きで1000円なら、安いもの。次回作も期待しております。いや、人には勧めないけれどさ。
    | 映画・TV | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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