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戦闘獣ダンザニア
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     先年倒産した老舗の出版社・ケイブンシャは実に良質な書籍を作る出版社だったが、ゲームの攻略本と共にお世話になったのが、『全怪獣怪人大百科』である。ケイブンシャ倒産後某社から増補版が出版されたものの、それが追加分の図版が無いという凄まじい作りで、非難囂々、この路線に終止符を打ってしまった事を思い出す。
    でまあ、この『全怪獣怪人大百科』、初期は特撮とアニメが混在しており、ガッパや白獅子仮面と共にロボットアニメの敵ロボットが紹介されていたり、まさに百科事典らしい混沌さが魅力的だったのだが、グレートマジンガー関連は設定画の図版を掲載していて、アニメそのものの写真を掲載するよりもカッコ良かったりする(そういえばマジンガーZがロケットパンチでグラトニオスを破壊しているという、ある意味感涙物の巻頭グラビアも掲載されていたような)。
    その中で印象的だったのが、ダンザニアである。解説には「暗黒大将軍が指揮する最後の戦闘獣」と書かれていた。いやー、いいじゃないですか、「最後の戦闘獣」。『最後のジョーズ』とか『最後のアマゾネス』とか『地球最後の男』とか、ゾクゾクするキャッチじゃないですか。閑話休題。

    ここで『グレートマジンガー』……というより、ミケーネ帝国と暗黒大将軍の解説をちょこっと。
    敵組織であるミケーネ帝国は古代滅んだというか滅ばされた実在の存在だが、『グレート』ではその末裔が地下に逃げ延びたものの、陽の射さない地下生活で肉体が脆弱化し奇形が多く生まれるようになり、その対策として一族を機械の体で補強した結果が戦闘獣という設定になっている(コミカライズの設定が混ざっているかも)。なので『マジンガーZ』の機械獣と違い、彼らは人間であり、そして暗黒大将軍や地獄大元帥のように、顔が二つあるんですな(その設定が生かされたのが、ジュンの幼なじみが戦闘獣ゲルニカスに改造され、巨大な機械の体から生首一つ出して哀しい言葉を話し続ける『戦闘獣志願!! 逆光線に散った青春!!』ですな。トラウマ物です)。
    そして暗黒大将軍というとこれがもう、叩き上げの現場の人間が管理職になると上役の無茶な要求や部下の不和とかに悩まされて実力を発揮できずに潰されてしまうパターンを地で行ってしまったような、典型的な駄目中間管理職で。だから自らが乗り出す『死闘!! 暗黒大将軍の最後!!』の暗黒大将軍は実に生き生きとしていて、傷ついたグレートマジンガーにとどめを刺すべく、周囲の制止を振り切って出撃、無数のミサイルの雨の中をグレートマジンガーめがけて走って行くシーンなど、当時の作画が追いついていないものの、ゾクゾクする程のカッコ良さである。
    ただまあ、ここでも演出の都合とはいえ、わずか三体の戦闘獣だけ連れて、しかも最後の戦闘獣ダンザニアはまだ製造中で、ようやく出撃させたら既に先行していた二体は倒された後という、やっちゃいけない作戦をやってしまっているのである。

    で、ようやく本論。この戦闘獣ダンザニア。『ゲッターロボ』の無敵戦艦ダイのように、もう歯が立たないような強さとは無縁。というか、あまりにも意味不明なのである。一応こいつは人間型戦闘銃なのだが(ミケーネ戦闘獣は暗黒大将軍直下の7大将軍率いる7つの軍団に大別されていて、人間型やら悪霊型やら魚類型やら爬虫類型やらがいる)、人間型のボディの上に、巨大な追尾ミサイルが載っかっているという、シンプルな戦闘獣である。実際出撃後、グレートマジンガーの背後からミサイルを発射、背中に大穴を開けて大ダメージを与えるものの、残された人間型ボディは特に武器などを装備している様子も無く、ただ走って行き、そのままグレートマジンガーによって真っ二つにされてしまうのである。
    そしてこのダンザニア、きちんと顔のある人間型ボディの上に載せられたミサイルにも、顔が付いているのである。暗黒大将軍や超人将軍ユリシーズの本来の顔はボディの頭部でなく腹に付いており、地獄大元帥なら頭部の上にあるケースの中に本体のドクター・ヘルが収納されており、魚類型将軍アンゴラスは、額の突起(アンコウの発光部分)に本来の顔が付いているように、遠目に見た顔に相当する部分はダミーの顔というパターンが多い。
    これらからすると、ダンザニアの本体はミサイル部分ではないか?という疑問が湧く。

    暗黒大将軍は多少せこいところもあるが基本的には部下思いで、正攻法を重んじるキャラクターである。とはいえ負け戦で必勝を期さねばならないとなれば、かつて日本軍が爆弾を必中させる為に特攻を推進したように、「必ずグレートマジンガーに致命傷を与える」為に、操縦者が高速移動するミサイルとなって体当たりする戦闘獣を設計する可能性は否定できない。
    もちろんダンザニア自身がそれを自ら望んだ可能性もあるが、残念ながら彼が戦闘獣になる経緯は省かれており、想像するしかない。
    暗黒大将軍や先行した戦闘獣バニガン達との関係というか、絆の深さは? 改造前の彼のキャラクターは? そしてこのスタイルの戦闘獣になる事を彼は知っていたのか? 彼の意思はどうだったのか? 
    あのデザインから見ると、もしかしたら完全に機械で作られた戦闘獣だったのかもしれない(実際暗黒大将軍はダンザニアのミサイルが炸裂しても命中した事を高笑いして喜ぶだけで、本体が真っ二つにされても消耗品が無くなった程度の表情しか見せていない)。

    とはいえ、もしダンザニアがただ体当たりする為のミサイルとして改造され、出撃させられたのだとしたら。
    この想像が事実ならば、これ程残酷な設計の戦闘獣も無いのではないか。彼は戦う為でなく、体当たりをする為に改造されたのである。まるで太平洋戦争時の特攻兵器・桜花のように、戦場に母機で運ばれて、後は敵めがけて体当たりしろと切り離される為だけに改造されたのである。そして完成直後に出撃させられ、先行するバニガンの為に「急げ急げ」とせかされて全力疾走し、敵の姿を見た瞬間、その身をぶち当てて果ててしまうのである。
    だとすれば、ダンザニア搭乗時のBGMが物悲しいものだった事も得心が行く。彼はそれ単体では殆ど戦闘力0の特攻機に乗せられ、誰にも振り返られない、ただ捨て石となるだけの宿命を背負わされた特攻隊員のメタファーではないのか。
    そういう仮定と想像が膨らんでしまう、戦闘獣ダンザニア。こういう事を考えるのはくだらないなあと思いつつ、やはりその姿には微妙な狂気と哀しみを感じてしまうのである。
    | 映画・TV | 02:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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