2010.04.01 Thursday
ロナルド・ウィルバーの自伝が発売
ほぼ40年前、知人の妹を殺害した少年が母親によって自宅の隠れ部屋に隠れ住み、母親の死後もそこに潜伏していて、引っ越して来た一家を恐怖のどん底に陥れるという事件(いわゆるバッド・ロナルド事件)がありましたが、その犯人、ロナルド・ウィルバーの自伝です。
最初の殺人に関して「あれは被害者が悪い、事故死だ」と主張するあたり(訳注で被害者の兄・ドウェイン氏からの名誉毀損での訴訟を厭わないメッセージが掲載されています)はまだしも、後半の「ぼくはアトランティスの王子だった」と述懐する辺りから所々筆が滑り始め、被害者の姉妹(匿名)の事細かな描写は、あんたまだ妄想が抜けてねーんじゃねーの?と突っ込みたくなります。
ただ、「ぼくの人生はあの部屋に入る前に終わり、そして部屋を出て逮捕された時にもう一度終わった。そして今の三つ目の人生は、ぼくのものじゃない」という、悔恨なのか他人事なのか判然としないコメントが重くて、読後感はすっきりしないものが残ります。