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『南京の真実 第一部 七人の『死刑囚』』鑑賞
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    公式サイト
    この話題が出ると右も左も本格的な戦闘モードに入る、南京大虐殺事件である。とりあえず超大作からドキュメンタリー物まで世界中で何本もの関連作品が製作されており、こちらは「誤った歴史認識を是正し、プロパガンダ攻勢に反撃すべく、南京攻略戦の正確な検証と真実を全世界に伝える映画」だそうである。
    上映時間は堂々3時間。ただしこの作品、観客の期待には全く応えてくれない。おそらくこの作品を観る人は「反日勢力による捏造プロパガンダに対して歴史の真実を克明に解説」するプロセスを期待していると思うのだが、その辺は殆どありません。「東京裁判は茶番であり、南京大虐殺は後から出てきた」「当時の南京で撮影されたフィルムがあり、虐殺の片鱗も見られない」ぐらい。後は東條英機や松井石根以下7人の死刑囚の最後が描かれる。まず、これが駄目である。寺田農やら藤巻潤やらいい感じの枯れた男優の力演が暑苦しくていいのだが、それが何故「南京の真実」と関係があるのか? 観客は置いてきぼりのままであり、申し訳程度に挿入される前述の要素や字幕での唐突な解説は完全に話が浮いている。まるで『ヒトラー最後の12日間』に「ホロコーストまぼろし説」のドキュメンタリーを挿入したようなもので、内容が融合しないまま、強引に話が進んでいくのである。
    監督の意図としては、まず東京裁判からスタートさせて「連合国の捏造と不当な処遇により貶められた美しい日本人」から始めてその一環として出てきた「南京大虐殺というまぼろし」に切り込もう、という腹づもりなのではないかと思うが、正直大いなるプロローグに3時間もかけられてもねえ……という感じである。特に当時のプロパガンダフィルムを引っ張り出してきて「無かったんだ!」と叫ぶのはさすがに強引過ぎですな。まあ、このフィルムが捏造だから南京大虐殺まぼろし説は否定されたなんて論理展開で攻めるのもステキかも。裁判所が学問と認めないと思いますが。
    そもそも本作はチャンネル桜が4000万円自腹を切って、残りの製作資金はカンパで計3億円集めるという話だったと記憶しているのだが、現状ではカンパだけで約3億円集まり、いつの間にか三部作構成になっているという。今後は第2部「検証編」(ドキュメンタリー)、第3部「アメリカ編」(劇映画)と続くそうだが、俺としては第2部だけ見せてもらえればいいのですが。この辺りの事情は不明だが、とりあえず中国の主張する30万人説(産経新聞の40万人説は捨て置く)を否定するのは大前提として、まぼろし説を唱える東中野大センセイと犠牲者1万人前後を唱える櫻井よしこ氏が激突しているとか、どのへんに落とすかが決まっていないのではないかなどと考えてしまう。
    その辺は考え出すときりがないので置いておいて、この映画を戦犯たちの最後の日々を描いた映画として捉えても、見ているのが非情につらい。金かけて組んだ巣鴨プリズンのセットを見て欲しいとか、各キャラクターへの思い入れがあるのは分かるとしても、とにかくそれをダラダラと撮り続けているのだ。特に七人の戦犯の告白を真正面から七人分映して、さらに独房から絞首台で吊るされるのまでを延々と固定カメラで撮影していて、『シベ超』の冒頭のシーン、列車の前に立つマイク水野の前に乗客が延々同じパターンで出て来ては乗り込んでいくシーンというか、バカ親がカメラを回しっ放しで撮った、編集無しの運動会の我が子のビデオを見せられるような気分である。一番良くないのは、七人が仮面被って能を突然始まるシーンとか、妙なギミックを入れている点。さすがに『プライド』の津川雅彦の大見得歌舞伎程ではないものの、坊さんが処刑が終わった絞首台を見上げたらいきなり七人の能が始まったシーンは、失笑しそうになった。そもそも絞首台で15分近く死亡するまで苦しんだ戦犯達が、マネキン人形のように、踏み台が落ちた瞬間に動かなくなるのは、あまりにも舞台劇らしく撮りすぎていないだろうか(足におもりを付け、首の骨が折れる音が響く『奴らを高く吊せ!』とかを観た後だと特に不満である)。正直知的な興奮も、娯楽の感激もなく、シベ超ライクな楽しみ方しかできない映画に3時間というのは、拷問に近い。
    ……と思ったら、最後の最後で、クレジットと共に、90歳前後の兵隊達が口々に「んなことあるわけねーだろ」(意訳)と述べるシーンが流れる。だから最初からこれを中心にしろよ! まあ、皇軍が品行方正というお話は、シンガポールの華僑虐殺やマレーシアのサンダカン死の行軍で存じ上げていますので、それはそれでよろしいかと。
    ちなみに今回は入場料無料(カンパ制で強制はありませんでした)の試写会にも関わらず、上映会場の文京区シビックホール小ホール(定員371人、休日夜間50,400円)は60人前後の入り。週末に公開された『靖国』が色々とアレな方達のおかげでかなりヒットしているのに比べると寂しい気もするが、昨年の暮れから映画館にかけることもできずせずに試写会を繰り返しているから当然か。
    観客人数で思い出したが、廊下の展示で例の「11万人」沖縄集会の写真を帝國警備が数えた結果を基に「見よ!朝日の捏造を暴く拡大写真を」とゲバ紙が貼り出されていたけれど、主催者発表の数字を産経・読売・毎日・日経・中日らと共にそのまま掲載した朝日の行為が何故、朝日だけの捏造になるのか、私には理解できませんでした。……って、これも南京と関係ないわ。
    | 映画・TV | 23:34 | - | - | - | - |