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チベ調
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    三一五独立運動のおかげで半世紀以上一般(と日本政府)では軽視されていたチベットに対する注目が上がりっぱなしだが、解放軍兵士が坊さんを拷問して「仏はいないだろ」みたいな事を言って侮蔑しているという話を聞いて(それに比べて日本は政権を宗教団体が支えているのだから、平和なものである)、遠藤周作の『沈黙』を思い出した。日本に潜入した宣教師ロドリゴたちが、長崎奉行所にあの手この手で篭絡されて結局踏み絵による棄教に走るアレですな。
    マーティン・スコセッシがようやく映画化に動き出したという噂を聞くが、これは以前篠田正浩によって映画化されていて(DVDがとんでもないプレミア価格になっている)、これはこれで妙にえぐい作品であった。いや、実際の切支丹弾圧なんて、鼻削ぎ耳削ぎ、身体切断(腹の肉をつまんで鋏で切るとか)、熱湯ぶっかけ、蓑踊りに火炙りと、聞くだけで失神するような代物ばかりだが、本作で描かれていたのは穴吊りで、外見はそれほどではないのだが、妙に残酷さが心に刺さる描写だった。
    拷問といえば時代劇で叩いたり石を抱かせたり、団鬼六映画の吊るしたりがお馴染みだが、こちらはあまり怖さを感じない。この違和感は何だろうと思っていたのが、結局拷問の痛みの描写でなく、複数の人間が放置され蠢いている光景が何かしらプリミティブな不安感を醸成するのではと思っている。自分にとっては、石井輝男や牧口雄二の異常性愛映画の拷問シーンよりも、『沈黙』の穴吊りや、『乳首にピアスをした女』で複数の女が暗がりの檻の中で呻きながら蠢いている光景はほぼ等しく、おぞましく恐ろしい場面だからだ。とっくに棄教することを宣しているにも関わらず、ロドリゴが棄教する為の餌として、無骨な農民達が苦しい姿勢で吊り上げられて呻いている様は忘れがたい。
    まあ、一番恐ろしいのは、弾圧される側に神仏のご加護はなく、『牛裂きの刑』の汐路章のように、弾圧する側が栄華を誇り勝利していく現実な訳で、この当たりの人間の知恵(『蟹工船』の浅川や、北九州監禁殺人事件の松永が複数の人間を団結させずに統御するテクニックとか)には底知れぬ業の深さを感じざるを得ない。そしてその逆に、それだけの過酷な境遇にありながら希望を捨てない人間達には感心すると共に、信仰や主義というものの恐ろしさをも感じてしまうのである。
    | 日常 | 14:31 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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