2007.02.14 Wednesday
『ブラックブック』鑑賞
公式サイト
本来ならば今頃は死に物狂いで原稿書きの筈だったのだが、某誌の規制のおかげ(?)で時間が空いちゃいましたよ。
てな訳で、また会社の同僚に連れられて、徳間ホールスペースFS汐留へ。全世界のボンクラ憧れの爺ぃ(現在68歳)、ポール・ヴァーホーヴェンの新作の試写会ですよ。というか、この爺ぃが来日しているので、本人が登場だったのが非常にうれしいところで。

映画はナチスに家族を皆殺しにされた女性歌手ラヘルが、カイパース率いるレジスタンスを手伝い、その命を受けて、ナチスの将校ムンツェと懇ろになり、彼と対立し彼女の家族を射殺したフランケンを追い詰めようとするが、逆にレジスタンス内の内通者の為に計画は失敗。さらにフランケンの策謀によってラヘルはレジスタンスの裏切り者とされてもはや敵味方からも追われる身となり、ムンツェと共に処刑される事になり……という話で、何やら格調高い文芸作品ぽい感じですが、やはりヴァーホーヴェン、ヒロインは脱ぎまくる、糞尿漬けにされる、頭部を吹っ飛ばされた死体が出る、多少はソフトになったものの、相変わらずの露悪趣味です。グッド。
映画自体もテンポ優先なので途中までだれることなく楽しめますが、おかげで途中端折った部分が多数。特にラヘルがレジスタンスと会うまでのくだりとか、内通者の証拠固めをするくだりなどが丸々省略されているので、連合軍に寝返ってムンツェを処刑する将校とかが放置状態なのと合わせて、未消化な部分が多し。また、この手の戦争ものにありがちな、終戦後になって途端に緊迫感が薄れてしまうという点もマイナスで、ムンツェがあっさり処刑されてからは、持て余した時間を何とか詰め込んで終わらせたような、腰砕けな印象になるのが弱い。真犯人に報復するシーンも、もっとねっちりと描いて欲しかったなあ。作品自体はそういった後半の息切れが気にならなければ、まずまず楽しめるレベル。
ただ、ラヘルがムンツェに近づくくだりが凄く良いですな。ムンツェは切手マニア(占領地の切手をどんどんアルバムに貼り付けている)で、ラヘルがそれを誉めた後に、レア切手の山を持って行き、選ばせるどころか、全部やるとか言うんですな。ああもう、マニアにとってこれほどいい女はいないですよ、ええ。三文ロマンス嫌いの自分も、このへんで顔を綻ばせる人間の屑ぶり純朴さで、もうムンツェを心から応援したくなりましたよ。
ちなみにナチに協力した女を坊主頭にして町民がリンチするシーンがあるのですが、これを見て30年ぐらい前の事件を思い出しましたわ。ナチに協力しかどで同様の目に遭った娘がいて、それに激怒した父親が、家の扉や窓を釘付けにし、家族と共にそのまま引き篭もってしまったという話。食料品店への買い物メモ(支払いは年金)だけが外部への唯一のコミュニケーション手段で、数十年経ってから中にいる姉弟が精神異常状態になって窓から猟銃をぶっ放したりするので近所から苦情が出て、ようやく警察が踏み込むと、中は数十年分のゴミの山で、両親のミイラ化した死骸と姉弟が住んでいたというお話。その後精神鑑定を受けたとかいう以降は、どうなったのかは知りませんが。こういう戦後もあったんですな。
本来ならば今頃は死に物狂いで原稿書きの筈だったのだが、某誌の規制のおかげ(?)で時間が空いちゃいましたよ。
てな訳で、また会社の同僚に連れられて、

映画はナチスに家族を皆殺しにされた女性歌手ラヘルが、カイパース率いるレジスタンスを手伝い、その命を受けて、ナチスの将校ムンツェと懇ろになり、彼と対立し彼女の家族を射殺したフランケンを追い詰めようとするが、逆にレジスタンス内の内通者の為に計画は失敗。さらにフランケンの策謀によってラヘルはレジスタンスの裏切り者とされてもはや敵味方からも追われる身となり、ムンツェと共に処刑される事になり……という話で、何やら格調高い文芸作品ぽい感じですが、やはりヴァーホーヴェン、ヒロインは脱ぎまくる、糞尿漬けにされる、頭部を吹っ飛ばされた死体が出る、多少はソフトになったものの、相変わらずの露悪趣味です。グッド。
映画自体もテンポ優先なので途中までだれることなく楽しめますが、おかげで途中端折った部分が多数。特にラヘルがレジスタンスと会うまでのくだりとか、内通者の証拠固めをするくだりなどが丸々省略されているので、連合軍に寝返ってムンツェを処刑する将校とかが放置状態なのと合わせて、未消化な部分が多し。また、この手の戦争ものにありがちな、終戦後になって途端に緊迫感が薄れてしまうという点もマイナスで、ムンツェがあっさり処刑されてからは、持て余した時間を何とか詰め込んで終わらせたような、腰砕けな印象になるのが弱い。真犯人に報復するシーンも、もっとねっちりと描いて欲しかったなあ。作品自体はそういった後半の息切れが気にならなければ、まずまず楽しめるレベル。
ただ、ラヘルがムンツェに近づくくだりが凄く良いですな。ムンツェは切手マニア(占領地の切手をどんどんアルバムに貼り付けている)で、ラヘルがそれを誉めた後に、レア切手の山を持って行き、選ばせるどころか、全部やるとか言うんですな。ああもう、マニアにとってこれほどいい女はいないですよ、ええ。三文ロマンス嫌いの自分も、このへんで顔を綻ばせる
ちなみにナチに協力した女を坊主頭にして町民がリンチするシーンがあるのですが、これを見て30年ぐらい前の事件を思い出しましたわ。ナチに協力しかどで同様の目に遭った娘がいて、それに激怒した父親が、家の扉や窓を釘付けにし、家族と共にそのまま引き篭もってしまったという話。食料品店への買い物メモ(支払いは年金)だけが外部への唯一のコミュニケーション手段で、数十年経ってから中にいる姉弟が精神異常状態になって窓から猟銃をぶっ放したりするので近所から苦情が出て、ようやく警察が踏み込むと、中は数十年分のゴミの山で、両親のミイラ化した死骸と姉弟が住んでいたというお話。その後精神鑑定を受けたとかいう以降は、どうなったのかは知りませんが。こういう戦後もあったんですな。

