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隊長日誌

『小林多喜二』『戦争と青春』『バトルシップ』『ジョン・カーター』鑑賞
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    銀座シネパトスで今井正特集。
    『小林多喜二』。
    山本圭扮する小林多喜二と今村恒夫が食堂を覗くと、特高警察が張っていた。逃げる二人を、特高が追う。マントを脱いで走る多喜二だが、下駄ですっ転んで特高にさんざん打ちのめされ、今村が救出に戻り逃げ出すが、特高の機転の「泥棒だ」という声で通行人の協力によって取り押さえられる。本名を隠し白を切る多喜二だがすぐに正体は割れ、取調室でステッキで叩きのめされ、吊り上げられて竹刀で叩かれ、錐で腿を抉られ、下半身を踏みつけられるといった拷問により、絶命する。
    取調室に放置された多喜二の死体の横に、ギターを持った横内正が登場する。「♪屍を〜積み重ねなば〜バリケード〜やがて〜輝く〜旗を信じて〜〜1933年2月10日! 小林多喜二は〜東京築地警察署で〜その生涯を閉じた〜」。1970年代の映画だね〜。ATGじゃないけれど。というわけで、その後は横内正を狂言回しにして、当時残っていた石碑や大学の建物や、多喜二の小説を基にした再現ドラマなどを紹介しながら、多喜二の生涯を負う。家が貧乏ながら頭が良かったので働きながら進学し、高校で絵画を始めるが伯父の注意で断念し文学に傾倒、銀行に就職し向かいの席の女性の協力を仰ぎながら小説を書き続け(辞める時に反物を贈っている)、志賀直哉に傾倒し、講演に来た芥川龍之介達の宴席に顔を出し、次第に労働者運動に目覚めて行き、そちらに深く関わって行く。知り合った女給(中野良子)に友人からの借金と賞与で借金500円を返済し家族とし、しかし彼女が断りきれずにまた春をひさぐ事に涙する。宮本顕治らと交流しつつ、何度も逮捕され、講演会では話そうとした瞬間に舞台上手に陣取る警察に中止を要求され、読もうとしていた新聞を見せてからかう。そんな中地下生活を続けるうちに泊めてもらった銀行の女と結婚するが、留守中に彼女の家がガサ入れされ、逃亡。流浪の旅を続けるが逮捕され、死体となって戻って来る。死体は下半身と腹が内出血で変色して膨れ上がっていたが、解剖を依頼した病院の医師は「風邪だと聞いたが心臓麻痺じゃないか」とにこやかに断る。そして重犯罪者扱いの多喜二の葬式は警察の監視によって近親者以外の参列者は全員検束される(花束だけは届けてくれるのが、妙に親切)。そして面会を通して、獄中の共産党の同志には多喜二殺害の情報と赤い花が届けられる。監獄の窓にはその赤い花が並び、多喜二の死を悼んでいた。
    左翼映画といえばこの人、山本圭! 浜辺で中野良子と砂浜に大仏の顔を描いていちゃつく様もこっばずかしい、ある意味正統なセミドキュメンタリー伝記映画である。とはいえ、最大の見せ場である多喜二の虐殺シーンをオープニングで終わるツカミに持って来た為、何やら『やくざ刑罰史・私刑』のように、本編が刺身のツマのようになってしまっている。時系列が前後している点も含めて、構成にやや難ありといったところか。宮本顕治、芥川龍之介、原泉(子)等、いろいろな意味でオールスター(もちろん演じるのは役者)なのはなかなか面白かったが。多喜二の教科書的映画だが、前半部分は端折って、逮捕後から死後の話までドキュメンタリー・タッチでまとめた方が引き締まった作品になったのではないか。

    『戦争と青春』。
    女子高生の工藤夕貴が夏の宿題に樹木希林から戦争体験の作文十枚以上を課せられ、ドヒャーとなりながら、伯母・奈良岡朋子に話を聞こうとする。伯母は近所の焼け残った電柱を日がな眺めている、ボケ老人だった。父親の井川比佐志にそれを聞こうとしても、怒って取り付く島がない。古書店経営者の伯父から紹介された、東京大空襲の記録を残そうとする作家の早瀬に話を聞いたりしているうちに、概要が浮かんでくる。戦時中、相撲で負け続けた井川は軍国教師に痛罵され、教師の風見に励まされる。そして女子高生だった伯母は風見と親しくなっていくが、風見は召集令状が来たのを機に、徴兵忌避を決意。鉱山労働者に潜り込むが、「お前たちの替えはいるんだ」と手ひどく痛めつけられる朝鮮人労働者をかばった事から、射殺される。残された伯母は非国民の罵倒に耐えながら風見の遺児・蛍子を育てるが、東京大空襲の折、父にはぐれ、火に巻かれて電柱を伝って逃げようとした際、先に登った井川に蛍子を渡そうとした時に焼夷弾の爆風に襲われ、蛍子が行方不明になってしまう。そこまで分かった後、伯母は急死してしまう。その後、早瀬から連絡があり、蛍子らしい、朝鮮人に拾われた赤ん坊の話を聞かされる。来日した盲目の韓国人・奈良岡と蛍子を結ぶ手がかりはなかったが、彼女は満足して帰国して行った。そして夕貴はこれらの話を経て、成長するのだった。
    今井正の遺作。とにかく東京大空襲、徴兵忌避、朝鮮人労働者、残留孤児(じゃないけれど)等、お話が盛りだくさんである。後援にいずみたくや毒蝮三太夫、組合等が名を連ねており、共産党系の色が濃い。これはこれで日本人が正面から向かい合わなければいけないテーマなのだが、とにかく盛りこみ過ぎ(笑)。現代っ子な女子高生が戦争中の話を知る、という展開があまりにも教条的かつ若者に媚びすぎで鼻白む上、それを演じるのが工藤夕貴というのは当時の彼女自身にも荷が重すぎたといえる(母娘?を演じた奈良岡朋子には驚いた)。センスも相当に古くて、モンペ姿の工藤と風見が川べりをスローモーションで走り、手を握り合って笑顔で回るシーンなんて、どうしようかと思ったぞ。狙いが見え見えというか姑息過ぎて、感心できない作品。ただ、東京大空襲シーンの特撮はかなり頑張っているし、東京大空襲の話の後に日本軍の中国爆撃の話をさらっと入れる辺りとか、なかなか端々に皮肉が効いているのはさすがというべきか。しかし今井正も山本薩夫も鬼籍に入り、新藤兼人も引退する今、こういった戦争映画を撮れる人が邦画に残っているのか、不安になった。

    続いて六本木で21時35分の回から梯子。
    『バトルシップ』
    グータラ青年のアレックスは酒場で兄のストーンに説教されている途中、金髪の美女・サマンサに見惚れてナンパする。チキン・ブリトーを食べたいが店が火を落として食べられないという彼女の為に、アレックスは5分で戻ると近所の店に買いに行くが、目前で店は閉じて店員は帰宅。アレックスは店に忍び込み、ブリトーをレンジで温めて酒場に戻るが、そのまま警官のスタンガンを食らって昏倒してしまう。しかもサマンサは、ストーンの上官である提督の娘だった。怒り心頭のストーンは有無を言わせずアレックスを海軍に放り込む。その後アレックス達はハワイでの14ヶ国合同演習に向かうが、親善サッカー試合中に自衛隊のナガタに顔面キックを食らった挙句にミスキックして試合に負けるわ、サマンサといちゃついて戦艦ミズーリ上での式典に遅刻するわ、ナガタと便所で大喧嘩するわで、提督に睨まれ、帰港後に海軍を辞めさせられることになる。
    しかしハワイ基地から宇宙の地球に似た惑星に向けて発射された通信を辿って、エイリアンの飛行物体五機が接近。一機は大破して香港に突っ込み大惨事を引き起こすものの、残り四機がハワイ近海に突入。艦隊をバリアで隔離してしまう。
    難を逃れたアレックス達はエイリアンの戦艦三隻と戦闘に突入。敵戦艦はレーダーに引っかからず、圧倒的な爆雷攻撃で自衛艦や僚艦を瞬く間に破壊。ナガタ達を救出した米軍は、上官が全滅し艦長の任に就いたアレックスを中心に反撃を開始。エイリアンが光に弱いという弱点を掴みながら、ナガタの発案による波の動きを探るブイによって敵戦艦二隻を撃沈。ナガタを艦長にし、残る一隻も遭遇地点で太陽を背にして敵をひるませる作戦で相打ちに持ち込む。
    しかしハワイ島のレーダー基地近くで両足を失った米兵のリハビリをしていたサマンサと、エイリアンに基地を攻撃され逃げ出して来た科学者達から、エイリアンが通信線を失い、レーダー基地から味方艦を誘導しようとしている事を知る。しかしもうアレックス達に武器はない。いや、あるじゃないか。
    アレックス達はミズーリ号に乗り込む。しかしこんな70年前のアナログロートル艦、誰も動かせないぞ! そこに勢揃いする、老兵達。彼らの活躍で、戦艦ミズーリが出港した。残る敵戦艦を錨を使った急転操舵と全力射撃で破壊して敵のバリアを無力化すると、最後の砲弾をレーダー基地にぶち込み、勝利するアレックス達。しかし敵戦艦から生き残った戦闘艇が飛び出し、ミズーリに襲いかかる。しかし間一髪、自由になった米艦艇から発信した戦闘機の攻撃で、敵は一掃されるのだった。
    戦い終わって勲章と出世を勝ち取ったアレックスだが、提督のサマンサと結婚したいと申し出ると、言下に拒否される。しかし提督は「後はチキン・ブリトーを食って話そうぜ」と囁くのだった。……しかしその頃、スコットランドの片田舎では、墜落したエイリアンの艦の一部がこじ開けられ、中から……。
    要するに宇宙に探査信号を送ったら、宇宙人が侵略しに来たというオーソドックスなSF設定に、ジェリー・ルイスみたいなバカタレ水兵物(ただし馬鹿だけれど基本スペックが高いというフォローにより、中盤以降はあまりアホをやらなくなる)、『トップガン』のような海軍プロパガンダ(僕は海軍に入って恋も仕事も充実しています!喧嘩もするけれど、皆高潔で良い仲間です!)、さらに老兵は大事です!とあらゆる世代と客層に媚びまくったごった煮映画。
    さらに日本の客層も考慮したのか浅野忠信扮する自衛隊のナガタが登場。こいつは最初はサッカーの試合中に主人公の顔面に反則蹴りを入れてその後大喧嘩する等のヒール丸出しで登場するが、これまたお約束でアレックスに命を助けられてからは強力にサポート、レーダーの効かない相手にレーダーブイを利用した索敵を進言して艦長の座を譲られ、最後は一緒に海にダイブして記念写真撮って親友になる等、至れり尽くせり。近年でも稀に見る厚遇された日本人の役である。もっとも後述の、日本が降伏文書に調印したミズーリで戦うという展開は、考えようによっては凄まじい嫌味であるが。
    基本的に『スカイライン』『世界侵略/ロサンゼルス決戦』の延長線上にある、ひたすら敵との攻防戦を描いているのが肝なのだが、基本は前述のようにいいかげんなので、所々でツッコミ所が入るおバカ映画である。『幻の湖』『若き勇者たち』『アルマゲドン』『聯合艦隊司令長官山本五十六』辺りの格調高くも腰砕けっぷりが理解できる人ならたまらない作品である。特に艦がやられ、「もう武器ねえよ!」と嘆くクルーにアレックスが退役戦艦ミズーリを指し示し、「こんなアナログ艦じゃ誰も操作できねーよ!」と嘆くクルーたちの前に、続々と(凛々しくカッコ良く)老兵達がいつの間にか全員集結し、燃料も砲弾も揃って即現役復帰という展開には笑い死ぬかと思った(そりゃ三笠みたいに艦としての機能を完全に潰されている訳じゃないし、退役前に大改装されているとはいえ)。
    という訳で真面目な映画としてはどうでもいいが、一度見る分にはバカ映画として大笑いできます。

    『ジョン・カーター』
    警告:エドガー・ライス・バローズのSF冒険世 界へようこそ!の管理人みたいに当サイトの文章を盗用しないでね。
    エドガー・ライス・バローズ『火星シリーズ』の映画化作品。
    エドガー・ライス・バローズは、叔父のジョン・カーターの遺産を託される事になり、広大な屋敷と「中からしか開けられない」カーターの墓、そして彼の日記を受け取る。そこには、カーターの半生が記されていた。
    南軍の生き残りだったジョン・カーターは、誰の為にも生きないという反骨漢。自分を捕らえて働かせようとするパウエル大佐を逆に叩きのめして逃亡するが、アパッチの襲撃に巻き込まれ、瀕死のパウエルと共に不思議な洞窟に辿り着く。そこに現れた謎の男を倒し、不思議なメダリオンを手にしたカーターは、瞬時に謎の惑星に吹き飛ばされる。重力の違いで、超人的な跳躍力と怪力を手に入れた彼は、サーク族の皇帝・タルス・タルカスの囚われの身となる。そしてソラと番犬・ウーラに下げ渡されたカーターは、折しもゾダンガ国のサブ・サン王との婚姻から逃げようとしたヘリウム国のデジャー・ソリス王女がサブ達の乗る空中艦隊戦に遭遇、デジャーを救出する。
    この件でサーク族に認められたカーターだが、この星=バルスーム=火星の謎を探りに禁断の地に踏み込んだばかりに、デジャー、ソラ達と逃亡する事になる。ヘリウムの為に参戦を要請するデジャーを冷たく拒否するカーター。そしてイス河の聖地で火星の謎を知ったカーターだが、二人とも追っ手に囚われ、ヘリウムへ連行される。
    そしてカーターは裏で糸を引くサーン族のマタイから火星征服の野望の一端を聞かされる。ソリスはサブとの結婚を決意するが、それはかりそめのもので、婚姻後にソリスは殺されるのだ。ソラ達の助けを借りて脱出したカーターはサーク族の助けを借りようとタルカスの元に急ぐが、タルカスは娘・ソラやカーター達の逃亡を許した件で皇帝の地位を剥奪され、処刑を待つ身となっていた。カーターとタルカスはコロシアムでモンスターとの死闘に出場させられるが、それらを打ち倒し、さらに権力を奪ったタル・ハジュスとサルコジャを倒し、ヘリウム救援の為にサーク族を決起させる事に成功する。しかし既にゾダンガの兵はヘリウム奇襲の為に全軍が出撃していた。必死で後を追い、ソリスの婚姻の儀式に突入するカーターとサーク族は、デジャーを救出し、ヘリウム軍と協力し、サブとゾダンガを倒すが、誰にでも化けられるマタイには逃げられてしまう。
    カーターはデジャーと結婚し、火星の王として生きていく事を決意し、メダリオンを捨ててしまうが、直後にマタイが現れて、その力でカーターは地球に戻されてしまう。
    地球で目覚めたカーターは、そこでパウエル大佐の死体を発見し、地球で長い年月が過ぎている事を知る。もう一度火星に戻る為、彼は洞窟の黄金を使って世界各地の同様の洞窟を探してメダリオンを探していたのだ。
    ここまで知ったバローズは、カーターの墓所へ行き、託されたキーワードにより、封印を開く。そこに登場し、カーターの死体を襲うマタイだが、それを予期していたカーターは背後からマタイを殺害し、メダリオンを奪う。そしてバローズに別れを告げると、火星へと旅立つのだった。
    長年映画化が熱望されながら頓挫を繰り返し、予告編でのヤバげな雰囲気に、早くも大赤字確実という報道など、もう敗戦必至の作品になっていた本作だが、いや、意外と面白い。原作のエッセンスをうまく取捨選択して話をきっちりとまとめていて、十分に楽しめる作品である。「JOHN CARTER」という題名に、カーターが火星帰還を決意したラスト後に「OF MARS」と付ける辺り、なかなか気が利いている。
    しかしやはり良くないのが、美術と演出と出演者である。火星らしく真っ赤なフィルターかけろよとまでは言わないが(言いたい)、そういった色彩面のみならず、美術が地味で印象に残らない。また、クリーチャーのデザインも外していて、本来所作や存在が愛らしいウーラとか、屈強なタルス・タルカスの肉体が貧弱だとか、武部本一郎氏やフラゼッタのイメージを頭から追い払っても、がっかりである。そのせいか、ソリスの忠臣カントス・カンがサブと似たようなキャラクターデザインで目立たないとか、不満点多し。カーター役のテイラー・キッチュは線が細いかなあと思ったが、やさぐれた元南軍兵士という設定もあってか、意外や違和感無し。やはり駄目だったのはデジャー・ソリス役のリン・コリンズ。別に剣を振り回して敵兵をなぎ倒し、カーターを後ろに下がらせるというシーンは笑えるし、才色兼備の文武両道という設定は構わないのだが、とにかくオバハン面で姫様という雰囲気ゼロである。嗚呼、キャロライン・マンロー様が最盛期だったら。演出もロングショットが多いのは多いが、どうもアクション映画の爽快感が不足していて、これもまた作品の雰囲気を地味にしている。でも『スター・ウォーズ』の後に出てしまったら、こう見られるのは必定か。惜しい作品である。
    | 映画・TV | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |
    『壇ノ浦夜枕合戦記』鑑賞+丹古母鬼馬二トークショー
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      公式サイト
      午前中病院に行ったので時間的に無理かなあと思っていたら、この強風と雨模様のせいか患者が少なかったのか、あっさりと薬の処方までたどり着き、そのままよみうりランド駅のザ・グリソムギャングへ。お客さんは俺も含めて7人ぐらい。少なー。
      でもこの映画は日活何周年記念だかのロマンポルノ超大作ながら、公開当時からつまらないという評判の作品なので、それもやむなし。おそらく実在する皇后というか皇族のセックスを描いた唯一の邦画だと思うが、確かにつまらないんですな。
      要は平清盛の没後(小松方正扮する清盛に犯されるのが、『女獄門帖・引き裂かれた尼僧』の田島はるか)、壇ノ浦での平家滅亡後、生き残った安徳天皇の生母こと建礼門院と女官達が源氏の武者達に嬲られ、売られ、殺される様を描いた映画。とはいえその辺りの話は60分ぐらいで終わり、後は風間杜夫扮する義経が脅しすかして建礼門院に自分から望んで体を開けと丁寧に強制して、延々ヤってる展開となり、この辺りが退屈なんですな。義の人だろうと何だろうと、昔は合戦があれば敗軍側の女子供や民は余得としてさらわれて売り飛ばされるのが常だったから、この辺りを丹念に描いた方が意義のある映画になったと思うのだが。

      15時から予告編付きの映画上映が終わり、休憩の後、17時から映画に伊勢三郎義盛役で出演していた丹古母鬼馬二氏登場。サイン会以外の撮影と録音は禁止なので、以下は記憶で。
      ・風間杜夫は同じ事務所で、数か月の先輩。
      ・ちなみに『蒲田行進曲』でいつものように呼び捨てにしていたら、聞きつけたスタッフが「うちの映画の主役にその口のきき方は」と叱りつけてきて、でも風間がフォローしてくれなかったので、そのまま謝った。
      ・風間杜夫の実家は雀荘で、本人も代打ちをしていたそうで、麻雀はえらく強いらしい。
      ・事務所の社長はじゃんけんで負けて役者仲間のマネージメントをした人物。芝居をよく見ていてガリ版刷りの新聞を刷って配ったり、「君の事務所の××君を主役で」という話に「いや、○○に出ている△△の方がいいですよ」と答えたりして、外部からの評価は高いが、内部からはさんざん。事務所の役者には仕事が来ないので、忘年会で二次会三次会あたりで大荒れとなり、以降、公式には役者との忘年会はなくなったとか。
      ・丹古母氏はギャラが同じなら、拘束時間の短い出番の少ないほうがいい。3カットぐらいがいい。
      ・台本は自分のセリフ以外は、前後と全体をさらっと斜め読みするぐらい。だからこの映画では小芝居をあまりしていない。女官が「天罰」云々と言うシーンや、義経が男根が切れたらお前にやると言うシーンは無言で追随するだけで、もう少し芝居をすればよかったと。
      ・撮影は、船に乗って流されてゆく坊主の役も演じている、姫田真佐久。丹古母氏が伝言を承って、建物内を走って来て、義経達の前で口上を述べるシーンはクレーンを使った大掛かりなものだったが、台詞を忘れてしまったので、後ろ姿しか映らないのをいいことにアフレコで合わせればいいやと後半は行数分だけ適当な事を言っていたら、監督にダメ出しされて、「9分ぶんのフィルム代7千円をギャラから引く」と言われて、懸命に台詞を思い出して、二回目はきちんと演じた。
      ・当時はカメラのレンタル料が一日70万円だった。ある作品の撮影中に、庶務のおばちゃんが笑顔でやって来て「お父さんが亡くなったって連絡が入ったよー」。長屋もので常に赤フンでうろうろしてる役でいつもいる必要があったので監督に頼み込まれ、帰れたのは二十日過ぎだった。
      ・にっかつの監督についていろいろ。これは司会の人のコメントも合わせて自粛します(笑)。西村昭五郎監督は老人ホームを転々として、八戸在住。曽根中生監督は死亡説も出ていたが、九州で生存確認。
      ・にっかつの映画には10年ぐらい出ていたが、最後に改心する駕籠かき役で出た『色ざんげ』がお気に入り。
      ・『八甲田山』の話。観客からの「あのよちよちした歩き方は雪を知らない人だと言われた」という質問に、案内人なのに知らないですね、文句はプロデューサーに!との事で場内爆笑。撮影は過酷で、雪山で麓との連絡が途絶えているにもかかわらず、脱走者が五人出た。二人は青森駅で捕まり、一人は東京駅で捕まり、一人は事務所で捕まったか。最後の一人は今も行方不明だ(おい)。また、女性のいない野郎だけの撮影だったのに我慢しきれなくなったやつが、ホテルの女中さんを深夜の混浴風呂で襲った。おかげでそれ以来、混浴はなくなった。また、小道具のNさんを責める役者がいて、Nさんは数日間寝ずに働いた揚句、ある朝精神に異常をきたし、降板した。
      ・最初は森谷司郎監督は優しかったが、木村大作の影響か、終盤の撮影は無茶苦茶危険な指示を出してきた。
      ・『砂の器』ではいきなり松竹の大船撮影所に行ってくれ、行けばわかると行ったら、鈴木瑞穂やらスターの並ぶ部屋で、前から四番目辺りに二つ席が空いていて、隣が森田健作だった。とりあえず撮影が始まったが何やっているかわからず、三日目に助監督に尋ねたら「松本清張の砂の器ですよ!台本もらってないんですか!」と言われた。台詞がないので、刑事らしく延々自前の煙草を吸い続けた。その際、煙草の長さに気を付けて、カットの前後だけは聞いていたが、ギャラが安いので途中で小道具さんにセブンスターをもらった。
      ・丹波先生は「やあやあやあ」と遅刻して来るが、当時は数ページ分もの台詞をしっかりと記憶していた。
      ・しかしある日ロケ先で双方釣りに行く事を知り、丹古母氏は現地で仲良くなった漁師の船にタダで乗せてもらって行くと話すと、タンバ先生は急遽自分のチャーターした船をキャンセルし、丹古母氏に付いて行くことに。しかし船の舳先で両手を広げてポーズをとり、釣りの用意は他人=丹古母氏にやらせ、釣れないと道具を交換しようと言ったり、無茶苦茶だったらしい。
      ・日本テレビの若山富三郎と安岡力也のどっきりカメラは、箝口令が敷かれていて、力也は本当に騙されたらしい。数百万円のギャラが出たが、若山と山城新伍の奥さん(花園ひろみ?)以外はノーギャラ。その後富さんに文句を言おうとしたが、「この前はご苦労さん」と頭を下げられ、先手を打たれた。ちなみに若山先生は自分で自分のことを先生と呼ぶ。
      ・懐に飛び込んで話すタイプなので、吉永小百合にも「乳揉ませて」と言ったらしい。
      ・ダイナマイトどんどんの撮影は、岡本監督の家に近い矢口。奥さんも来ていたらしい。弁当の仕出しまで自分の名前を覚えているので感激したが、それもテクニックだったと知って、「張り切って損した」。
      ・杉良太郎と三船敏郎の時代劇の夜間ロケが、冬場にバッティングした。とりあえず一揆農民役で草鞋しか履いていない丹古母氏は、老人の役者たちも含む二十数人で灯油缶の焚き火二つで暖を取っていたが、そこに杉良太郎がやって来て、二つとも持って行って、股あぶりを始めた。その後入れ替わりでやって来た三船敏郎、すぐに暖をとれる冬場の脚支度をするように指示した。翌朝、旅館の前で掃除している老人に挨拶したら、三船敏郎だった。

      俺の好きな丹古母氏の役は、力童と、『走れトマト』で犬を欲しがる気さくなトラックの運ちゃん役なのだけれど、ご本人も動物はお好きとのこと。グリソムも昨年の児童映画特集の時に上映を検討したものの、監督さんが関西在住なので招聘が難しく、断念したとのこと。

      こんな感じで出演作品が多い丹古母氏、話の引き出しが多くてしかもよく記憶していて、2時間があっという間でした。その後のサイン会で、色紙の他に、怪力サムソン役で出演した東映『スパイダーマン』のDVDジャケットにサインもいただき、ウホウホ状態。また丹古母氏がゲストの時は伺いたいと思います。
      | 映画・TV | 23:10 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |
      上野オークラ・ピンク映画50周年イベント
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        先週末は石巻でピンク映画見たのに(観て応援)、今日もピンク映画かい。とはいえ『沖縄怪談逆吊り幽霊・支那怪談死棺破り』の小川欽也監督の舞台挨拶があるので、上野オークラに行って参りました事よ。

        こんなんで記念撮影できるか!(笑) 舞台挨拶は15時からという事で、10分前ぐらいに入場し、前から二列目の通路近く左側の席へ……あら、隣に知人が(笑)。昔池袋に映画観に行った時も、隣に知人が座っていて、何だかなーという感じでしたが。

        舞台挨拶前に用意していたくす玉が割れてしまい、スタッフ大慌ての図。良いなあ、こういう雰囲気。

        という訳で、左から小川欽也 監督、小川真実、あずみ恋、倖田李梨、加藤義一監督(助監督)。そういえは小川真実って、ロマンポルノ末期の『いんび』に出てたなあと思い出したり。

        テレビからピンクというか大蔵映画に移って50年、俺は怪談映画しか知らないけれど、400本以上のピンク映画を撮り続けてきた小川監督、凄いとしか言いようがない。今回は1966年の『禁じられた乳房』と新作の『美女家庭教師の谷間レッスン』を上映。当時の大蔵映画の雰囲気を色々と伺えました。

        しかし主演のあずみ恋、凄い美人。……って、黒髪ストレートと化粧で誤魔化されているのか(笑)。舞台ではあまり話していませんでしたが、その後のサイン会辺りで本領発揮のノリノリ振りでした。

        今回20名にプレゼントされた、復刻台本。ジャンケン大会には30名以上名乗りを上げ、私はいきなりあいこのパーで撃沈。ちっくしょー。隣に座っていた知人は最初に勝った17人に入り、貰ってました。ちっくしょー。アンケートを書いた人に抽選で当たるサイン入りポスター、当たるといいなー。

        池島ゆたか監督がちょこっと挨拶。

        くす玉の前で、4人が御挨拶。書籍に小川監督のサインも戴き、なかなかお腹いっぱいのイベントでした。
        ちなみに今回上映されたのは、3本。『痴漢本番生録旅行』は別の監督による、蛍雪次朗主演の姫路ロケのエロビデオ業者兄弟のコメディ。たこ八郎が出ていたのが時代ですな。『美女家庭教師の谷間レッスン』はあずみ恋の見せ場がラストだけで殆どが脇役女優の見せ場という、ちょっと詐欺っぽい一本。
        今回一番面白かったのが、1966年の『禁じられた乳房』。パトカーとか出て来て、今の作品よりも普通に面白かったぞ(笑)。映画は地方の旅館で世話になっていた親戚の女将に売春を強要されていた主人公が、女将の愛人と共に東京に逃げるが、そこでも売春を強要され、挙げ句子供まで中絶されそうになり逃亡、身を寄せていた叔母の所まで追いかけてきた男を刺して刑務所に入る。しかし娘を預けていた親戚が再婚し娘を孤児院にやるというので、レズ関係になっていた女囚と共に脱獄、東京まで乗せていくという約束で体を許した男に裏切られながら娘の元に駆け付けるが、既に警察の手が回っていて、警察の張り込む中、叔母は昔の家で娘と共に罠を張って待っていた……というもので、香港の富豪の愛人となっていた女囚の手を借り、50万円で叔母に裏切らせ、銭湯で娘を受け渡して奪還に成功、そのまま香港に渡ってやり直すことを決意する……という物。音楽がムーディーでなかなか楽しめる作品でした。ただ、こういう女の転落物はあまり好みでないけれどね。
        | 映画・TV | 23:28 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |
        東北行(最終日)
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          三日目は十和田湖へ。所がスケジュールを組んでみると、十和田湖へ行くバスが午前中と午後しか無くて、盛岡6:54発の新幹線に乗らないと動けない。という訳で、6:45移行の朝食はあきらめる。また松屋かよ!(笑) 雪がちらついていて、いやーな予感。八戸で青い森鉄道に乗り換える。 何ですか、この雪は。三沢に到着。Oh!ジープに乗った米兵とかイマセーン。というか、雪が降ってやがる。寒い。さすが青森。私は鉄じゃないですが、周囲には鉄とおぼしき人間が数人。全員学生の多い列車を一本乗り過ごして、色々と撮影している風景に笑った(←お前もな)。 駅のそば屋できつねうどんをいただく。……この揚げ、いなり寿司の袋揚げを2枚かよ。 それから8:51発の電車に乗る。30分ぐらいの、短い旅。 ……先頭車両は鉄だらけで、夫婦で来た鉄が「ここは東急東横線の車両を使っていて……」とか色々話しているのが何かねえ(笑)。確かに吊り革に東急百貨店のロゴが入っているわ。 9:18頃に十和田市駅に到着。雪が降ってきたよ! ここから十和田湖へのバスはないので、八戸発のJRバスが到着する、現代美術館前に徒歩20分ぐらいの旅。10時40分発というので、この辺りは余裕。美術館前には色々と面白いオブジェが陳列されていて、なかなか楽しい。 バスに乗ると、お客さんは俺の他に爺さん一人。しかもその爺さんも、温泉郷で下りてしまう。あれ? 12:15に十和田湖に到着してみて、納得。 ぎゃー。帰りのバスは3時間後。それまで遊覧船もなく、待っていろと。窓口の人に聞くと、13時35分発のバスは青森行きだから、十和田市や八戸の方には行かないよ、との事。覚悟を決めて、雪の舞う十和田湖周辺を散策。 絶景だねー。十和田湖は冬も遊覧船が動いているから不凍湖だと思っていたら、後で聞いてみると、今年は異常気象で二十何年ぶりに湖面が凍結したとか。うれしいなー、滅多に見られないものを見られて(笑)。覚悟を決めて、ひめます定食をいただく。美味しい。 その後十和田湖神社と乙女の像へ。やばい、吹雪いて来た。雪に不慣れな東京人にはつらいです。 やけくそになって、雪の上に身を投げ出してみる。思いの外積雪していて沈んでしまい、もがく羽目になる。ばーか、ばーか(俺がな)。……この日の昼は、十和田湖周辺は殆ど俺の貸し切り状態でした。 客が来ないからか、さっきご飯を食べた食堂もシャッターを下ろしてしまい、本格的に雪が降ってきたあたりで、バス到着。助かったー。ちなみに外はこんな感じです。奥入瀬の滝は凍り付いているし。 十和田市市内に帰還。しかし十和田湖観光電鉄が廃線になったら、この周辺の市役所とかの官庁街はどうなるのかしらん。何か見たら、「ファミコンショップ」の看板が。でも中を覗いたら、お茶と種ばかりで、ポケモンカレンダーが貼ってあるぐらいで。煙草を買いながら聞いてみると、案の定、とっくにやめているとの事。おやじ、面白いから、看板下ろさずにそのままでいてくれ。 さらに近くの店?には、何故かテーブル筐体が。 そんな感じでたらたらと歩きながら、十和田市駅へ。ついでなので、こちらでてんぷらそばをいただく。 おばはん、これはたぬきじゃないのか! まあ、いいか。17:54発の電車に乗り、三沢へ。それにしても電車に乗っている鉄以外にも、駅や美味しいポイントで撮り鉄がカメラを構えていて、改めて鉄のパワーを感じる。俺は鉄じゃないけれど。行きは夫婦の鉄がいたけれど、今度は親子の鉄が乗って来て、ズームレンズ付きの一眼レフを首から下げて、先頭車両の窓を覗いて大喜び。うはー。 で、三沢に着いて、色々見ていて……あ、青い森鉄道への乗換は7分しかないんだった!(実際はその後の快速でも良かった) 慌てて青い森鉄道の駅へ走って行くと、25〜20分遅れ。……助かったあ〜。いや、帰りの新幹線が止まったり間に合わなかったりしたら、スリーデーパスが向こうで大損害だぞ。と色々憂慮したものの、その後は遅れて到着した電車に乗り、八戸へ行き、20:01発・23:08東京着の新幹線の席をゲット。最後に駅ビルでいかめしを購入し、新幹線へ(駅弁をもう一つ買おうと思ったけれど、せんべい鍋の弁当では、笑)。無事東京へ帰還致しました。 今回はちとハードスケジュールでした。
          | 日常 | 23:26 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |
          東北行(二日目)
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            翌日は6時起き。7時過ぎに朝食を食べて、そのままホテルでレンタサイクルを借りる。宮古へはバスで移動すると決めていたので、チェックアウトの時刻まで走り回る事にする。周辺の地図を貰ったら、何も聞かないのに、ホテルの受付が「この辺の被害がひどかったですよ」と教えてくれる。そういうものか。途中でハンバーガーの自販機を発見。これは珍しい。 20120318 しばらく走った、港付近。この辺は高台が迫っているので、崩壊した建物の近くの崖の上は、無事な建物が。この数十メートルの差が、大きな差を生んだのだなあと、しみじみと感じる。 2時間ほど走り回って、釜石大観音まで行くのは断念して、そのままホテルへ帰還。荷物を持って、釜石駅前のバス停へ。10時過ぎに、道の駅やまだ行きのバスに乗る。とにかくこのバスに乗っている間の光景は言語に絶する。地平線のような遠くにある山。そこまで見渡す限り、建物の基礎だけが連なっている光景。瓦礫が海辺の東京ドームのような広い場所に積み重ねられている光景。それが車で何十分も、延々と続く。自分の故郷がこんな光景になったら、自分は耐えられるだろうか。哀しいとかそういう気分も出ない、ただ絶望的な光景。 11時15分ぐらいに到着。ここはスーパーも兼ねているのか、色々なものを売ってました。飯を食べようかと思ったけれど、ラーメンとかドライブインみたいな物を食べても仕方ないので、我慢。12時1分発の宮古行きバスに乗って、宮古へ移動。宮古は13時過ぎに到着。ここで漸く食事。魚が美味しい。1480円。 その後駅前の観光案内所で聞いたレンタサイクルを借りられる所……ニッポンレンタカーは自転車の貸し出しを行っておりません。当たり前だ! おやじ、とぼけるな(笑)。何か警察署で貸し出しているとか言いつつも、折角だから観光案内所の無料貸し出し自転車を借りて行きなさいと言われる。オーケー。しかしこの観光案内所も、考える事は同じか。邪推だろうけれど。 白木山に登ってみたけれど、樹木が多くてろくに市街地を見下ろせない。竜神崎展望台は海を見下ろすには良いのだけれど……。とにかくひたすら走る。 そんな中、こんな風景が。花が手向けられているような瓦礫の街の道路沿いに、落選中の元議員先生にして元首相のお身内が、ここぞとばかりに道路際に目立つように、自分のポスターを道路沿いにコンクリブロックで固定して目立つように設置。あまりのおぞましさに鳥肌が立った。はいはい、支援者が勝手にやったんでしょーねー。 今だ復旧されない山田線の鉄橋。線路がこんなにへし曲がっていた。 その後18時の山田線に乗り、盛岡へ。途中から駅に停まっても電波が届かないウィルコム(笑)。途中、誰かが転んで線路に落ちたとかで、停車したのには愕然。無事だから良かったけれど。この辺りは駅の近くには民家や街灯の灯りが無く、ひたすら闇の中を突っ走るんですな。雪まで降ってくるし、ちと気が滅入りました。20時過ぎに盛岡に到着し、明日は早いので駅前の松屋(……)で飯を食べて、宿に到着。
            | 日常 | 23:56 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |
            東北行(初日)
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              また東北へ行って来ました。前回は松島と石巻に行ったので、今回はもう少し北上して、釜石と宮古へ行こうと、JR東日本のスリーデーパスで二泊三日と行くか……等と思っていたら、十和田観光電鉄が今月いっぱいで廃線になることを知り、それならそれに乗りに行くついでに十和田湖も行ってみよう……三日だぞ、おい。かなりの無茶なスケジュールとなりました。 初日は朝一の東京発の新幹線に乗る予定が、いきなり遅刻。まあ次の新幹線があるので、これはさほどの問題ではありませんでしたが。仙台で下車して、仙石線で乗り換えて松島海岸へ。バスの発車まで1時間弱ぶらついた後(この時間帯は店があまりやっていない)、代行バスで矢本まで行く。 20120317 矢本からまた電車で、石巻へ。瓦礫と危険な建物の撤去が進み、街は復興へ進み始めたという印象。 途中、物産展のイベントがあったので、そこでカキ汁300円を頂戴。この復興状況で土曜で朝の11時台とか、ご飯を食べる所が無くて。おまけに小雨も降っていたので、大変ありがたかったです。 その後石巻日活パールシネマへ。今回上映していたのは、以下の三本。 『人妻旅行・しっとり乱れ貝』はSF映画でした。山に一人来た星優乃は峠のお地蔵さんの前で竜胆の花の匂いを嗅いで気絶、記憶を喪ってしまう。二泊三日で宿泊予定だったペンションの夫婦に助けられ、夫婦の秘め事や痴漢にレイプされながら、その性的な興奮を契機に記憶を蘇らせていくのだが……。いちいちその度に瞳の奥に移る竜胆の花にフォーカスするエフェクトが入るのが何かかっこいい(笑)。ネタバレすると、以前優乃は地蔵の前で知り合った旦那と結婚するが、そのペンションで旦那が女医と再婚するからと別れ話を切り出された事を思い出す。しかしペンションの妻(彼女と一緒に風呂に入り、彼女の祖母と同じ傷があるなどと教えられる)の助言を借りて、旦那が既に死んでいる事、女医から彼女は旦那の友人で、旦那が不治の病になっているので彼女につらい思いをさせない為にわざと離婚を切り出したことを知らされ、さらに女医が旦那とやっていたのは記憶違いだと知る。そして自分が竜胆の花を材料にした不治の病の特効薬を作り、それを過去の今の自分に託された事を知る。そして彼女は旦那と知り合った瞬間の時空に戻り、旦那にその特効薬を飲ませて、命を救う事に成功する。ペンションの妻は、未来から来た彼女の孫だったのだ。えーと、とにかく混乱したイメージととタイムパラドックス未解決のやりっぱなしな話ですが、一応SFという事で。支配人さんはいませんでしたが、受付のおいちゃんに(一度しか会っていないのに、顔を覚えられていたよ)お土産を渡して、世間話をして退散。周辺を視察して、17:12の電車に乗って、小牛田・古川・新花巻経由で釜石へ。外は真っ暗で、ホテルの人に「ここまで水が来て、周囲は食べる店はないですよ」と言われていたので、その日は駅前のローソンで買い物して、宿で飲食。わびしいなあ。この日はそのまま就寝。
              | 日常 | 23:47 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |
              『ゾンビ大陸アフリカン』『セルビアン・フィルム』鑑賞
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                『ゾンビ大陸アフリカン』公式サイト
                アフリカでゾンビが大量に発生、最後の米軍機が脱出するが、整備中に襲われて給油していなかった為に、墜落。エンジニアのブライアン達三人が海岸に辿り着くがゾンビに囲まれ、一人は仲間を見捨てて逃走、一人は足を怪我して動けないところを食いちぎられ、ブライアンはしがみ付いていた木箱の中の拳銃等の装備を取り出して辛くも脱出する。ブライアンはおんぼろの軽トラックを修理・給油してタイヤをはめて逃走。途中道路にハマって危機に陥るが、西アフリカ軍の兵士デンベレによって助けられる。故郷の村が滅び、ゾンビ化した母を射殺したデンベレは、兵士と共に脱出した一人息子を探していたのだ。飛行機での脱出を図るブライアンは、車と引き換えに、基地まで案内してもらう事にする。途中故郷と共に死ぬ覚悟を決めた兵士と村民たちの守る村で休憩した二人は基地へ向かって旅を続けるが、途中で事故って車軸を折り、徒歩で旅する羽目になってしまう。
                野宿した二人は交代で不寝番も立てんと熟睡し、警報装置代わりの鳴子の音に気付かずゾンビ達に襲われ、デンベレは致命傷を負い、死亡してしまう。再び一人となったブライアンは「悪魔の爪」と呼ばれる遊牧民も避ける巨大な岩山を超え、ようやく基地に辿り着く。しかし一般市民ばかりいる基地はゾンビに囲まれ、風前の灯だった。ブライアンは無線機でようやく米軍基地の旧友・フランクと連絡を付けるが、既に米軍基地もゾンビ達によって陥落寸前で救援を出せる状態に無く、ブライアンの妻と娘も亡くなった事を知る(それ以前に息子も亡くしていたらしいが)。そしてフェンスのブロックを崩してゾンビ達が基地に潜入、ブライアンは生ける屍の如く立ちすくむが、偶然デンベレの息子と遭遇し、デンベレの言っていた「希望」という言葉を思い出すのだった。
                もう何が嬉しいって、本作はゾンビがのたのた歩く、古式ゆかしいゾンビなんですな(しかもメイクは『吸血ゾンビ』っぽかったり)。だから走れば逃げられるけれども、水も食料も燃料も足りず、広いアフリカの地を移動して、ちょっと立ち止まっているといつの間にか囲まれているという、パトリシア・ハイスミス『かたつむり』みたいな恐怖感があったりして。最初は時系列がよく分からなかったりする部分もあるし、低予算なのが見え見えでテキサスやネバダの砂漠あたりで適当に撮ったのかなあと思ったら、ちゃんとガーナとかで撮影した、本物のアフリカ。行けども行けどもゾンビのいる広大な荒れ地のアフリカという舞台設定自体の絶望感、主人公二人とも笑いもせずにひたすら逃避行を続ける、ハリウッドゾンビ映画とは違う、ちょっと諦観の漂った異色な雰囲気が、なかなかに魅力的でした。エキサイティングな娯楽作品ではなく、ドラマ的にも薄い作品ではありませんが、テンポが良く、なかなかに楽しめる佳作という感じ。しかしこの前観たゾンビ映画『L.A.ゾンビ』も黒人ゾンビだったよなあ。

                『セルビアン・フィルム』公式サイト
                元ポルノ映画男優・ミロシュは引退し、妻マリアと息子と幸せに生活していた。そんな中、友人の元ポルノ女優・レイラから謎の男・ヴィクミルを紹介される。ヴィクミルの豪邸に入る彼とすれ違いに出て行った禿の中年男は、彼を見て意味ありげに笑う。ヴィクミルは「ポルノは芸術だ」と雄弁に語りながら、仕事内容を一切教えないまま、巨額のギャラを餌にミロシュに契約書にサインを迫る。結局承諾したミロシュだが、撮影は奇怪なものだった。いきなり孤児院に連れて行かれ、イヤホンから聞こえて来る指示通りに、カメラを構える屈強な男達の前で、演技をするミロシュ。彼の前で、美少女を巡って喧嘩する女優二人。監禁こそされないものの、撮影は常軌を逸していく。少女が見つめる中、アバズレ母親役の女にペニスを噛まれ、彼女を殴りつける演技を要求され、ミロシュは警官の兄マルコにヴィクミルの素性を探ってもらうよう依頼する。ミロシュが警官という安定した職業に就いている事を羨んでいるように、性的能力に劣ったマルコはミロシュを羨ましがり、そしてマリアに心を寄せていた。調査の結果、ヴィクミルはそしてミロシュは精神学に通じ、国家保安局に勤めていたキャリアを持っているものの、日本で行方不明になった事があり、何の映画を撮っているのかは分からないとの事だった。ミロシュは意を決して仕事を断るが、ヴィクミルは「我々は犠牲者なのだ」と狂気にも似た信念をさらけ出す。そしてその作品として、産まれたばかりの赤ん坊を屈強な男がレイプし、それを見た赤ん坊の母親が大笑いするというビデオを見せる。ミロシュは飛び出すが、ヴィクミルに飲まされた酒に何かが入っていたのか。性欲の塊に、突然車に寄って来た黒髪の女の胸を窓越しに揉みだし……気が付くと、血まみれで彼は自宅のベッドに横たわっていた。そして日付は三日経っていて、家には妻も息子もいなかった。何が起きたのか? 彼はバールを手にヴィクミルの邸に忍び込むが、邸には誰もおらず、ヴィクミルの書斎からビデオカメラとテープを盗み出す。そしてそれを再生し、彼は三日間の自分の行動を辿っていく。
                黒髪の女は、ヴィクミルの手先だった。性欲増進剤と覚醒剤を打たれた彼は性欲の塊となり、ベッドに縛り付けられたアバズレ女役の女優をバックから荒々しく犯し、ヴィクミルの言うがまま、彼女を背後から切りつけてその首を落として殺害していたのだ。そして気を失った彼はボディガードによって犯され、彼の身を案じて抗議したレイラは、ペンチで全ての歯を抜かれ、覆面の男によってフェラチオを強要されてそのまま殺害されていた。そしてミロシュは美少女の家に連れて行かれ、彼女とセックスをさせられそうになるが、その瞬間に窓を破って逃走する。しかし薬物によって性欲の権化となっていた彼は、兄マルコに助けを求めるものの、街中できわどい格好をして歩く少女を見て自慰行為を開始し、不良達にリンチされていたところをボディガードに見つかり、連れ戻される。そしてミロシュはさらに薬を打とうとする黒髪の女の注射器を奪って、彼女の首筋に注射を行って倒し、逃亡を図る。しかし連れ戻された彼は、広間に連行され、ヴィクミル達の構えるカメラの前で、覆面して俯せに拘束された女と子供を犯しまくり、いつの間にかその横には覆面の男が並んで腰を振っていた。そしてヴィクミルは男の覆面を剥ぐ。男の正体は兄マルコだった。そしてマルコが犯していたのは妻のマリア、ミロシュが犯していたのは自分の幼い息子だった。泡を吹いて放心する息子。ヴィクミル「これがセルビアの家族だ!」。そこに黒髪の女が乱入して来る。彼女は鉄パイプで自慰行為を繰り返しており、股間を血に濡らしたま倒れて絶命する。一瞬の隙を突いてミロシュはヴィクミルに飛びかかり、彼の頭を床に打ちつける。「これぞ私の作品だ!」と歓喜のうちに絶命するヴィクミル。ナイフでマルコを殺害するマリア。飛びかかってくるボディガード達の拳銃を奪い、二人を射殺し、撃たれても向かってくるスキンヘッドを殴り続け、彼の潰れた左目の眼孔にペニスを挿入して倒すミロシュ。そしてミロシュは泣き叫ぶマリアを倒し、息子と共に自宅に連れ帰り、地下室に閉じ込める。彼は拳銃で自殺しようとするが、4回引き金を引いても弾が出ず、そのままベッドに倒れこみ気絶していたのだ。
                全てを知ったミロシュは妻と子を助け出し、放心したまま共に最後の晩餐をし、ベッドにミロシュ・息子・マリアという形で横になり、マリアの背中から拳銃を撃ち、一家心中する。全てが終わったのか。いや、三人の死体の前に、ヴィクミルの邸ですれ違った禿の中年男と二人の屈強な若い男が、カメラを構えて立っていた。向かって左の男が、ズボンを脱ぎ出す。「まずは、ガキからだ」。

                セルビアといえばドイツ軍による虐殺、凄惨な民族紛争と血生臭い歴史があり、その辺はヴィクミルの示唆するように、この映画が「セルビアの映画」なのだろう。ただその辺の風刺は抜きにしても、まあ見ているだけでえげつない描写の連続で、嫌な気分になってくる。もっともこちらとて世界に冠たるhentai国家(ヴィクミルが一度日本で消息を絶っているというのが笑ってしまう)、団鬼六や鬼畜ゲームで慣れた身としては(慣れたくねーよ)、ゴアシーンがビデオの中や記憶のカットバックのみということもあり、『ホステル』のような「主人公がこれから起きる拷問にリアルタイムに痛めつけられる」演出ではないので怖くないし、ミロシュが顔を隠した相手の前に引きずり出された時点で、今井正『武士道残酷物語』の目隠しして自分の妻と娘の首を刎ねさせられた武士を想起して、あまりきつさを感じず。とはいえ普通に見れば十分キツい内容であり、元ポルノ男優というあまり表に出せない経歴の持ち主ながら、良き家族に恵まれ、彼らの為に懸命に頑張った結果が自身も含めてすべての家族を地獄に落としてしまうストーリーは凄惨ながら、構成がしっかりとしている点には感心させられる。特にラストのミロシュ達が自殺する所は安堵感さえ漂うが、そこにとどめとして容赦ないオチを入れるあたりの展開はさすがである。二度と観たいとは思えない作品だし、繰り返し観るなら『ホステル』に劣るが、好事家ならば一度は通らなければならない作品であろう。
                | 映画・TV | 23:53 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |
                『金正日』鑑賞
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                  昨年の金正日死去に便乗して、渡辺文樹が油野美術館東京分室で急遽再上映会決定! しかし場所が分かりづらい。横道の入ってさらに横道のビルの一室って、そりゃ確かに分室だけれど……。ロケンロールなオリジナルTシャツ制作請け負い店の近く、と覚えておく。しかも狭い。20個ぐらい並んでいる折り畳み三脚椅子はしんどい。
                  以前は1本1400円の入場料が今は1000円。あいにくの雨だったので赤ん坊背負った奥さんと娘さん(大きくなったなあ)が階段で券とかパンフとか売っていたけれど、晴れていたら外の長机で売っていたらしく、大変ですな。
                  今回は1/17〜1/23まで毎夕トークショー付き、但しゲストが「元連合赤軍リンチ殺人犯」「元連合赤軍真田銃砲店強奪犯」「大成建設銃発砲犯」とか、何なんだ(笑)。私が行った時は強奪犯の雪野建作氏がゲストだったけれど、まー、「だから俺は反対したんだ、言った通りだろ」みたいな話が多い反面、他の連合赤軍の回顧録に載っていないような貴重な話も多く、このあたりは好きな人にはたまらんでしょうな。25分もオーバーして映画の上映が19時半ぐらいからになったのは迷惑だったけれど(笑)。

                  映画は一言で言うと、特殊部隊もの。要するに低予算のマカロニコンバットにありがちな、少人数の特殊部隊を編成して、敵地に潜入して要人救出というアレですな。
                  で、冒頭、北朝鮮軍の将校(異様に帽子のツバが広くて、コック帽の感じ)の乗ったヘリ。何か「陸上自衛隊」と書いてあったような。気のせい、気のせい。ただの飛んでいるヘリを撮っただけなので、遠くてよく見えないし。
                  で、どこかの狭い部屋で爺さんと眼鏡かけた男が会談。……話しているうちに、その二人が金日成と金正日親子である事が判明。似てねーよ。で「お前を後継に選んだのは失敗だった」「俺は後継者として立派にやってる」「俺が復帰するのも一つの手段だ」「引退しろよ、糞爺ぃ」みたいな会話が交わされて、激昂した日成が心臓発作を起こして苦しむのを正日が銃でとどめ。そこに部屋の外に控えていた警護の軍人が乱入して正日を射殺。以上、金正日の出番終わり。……えー。
                  で、アメリカ国旗がはためいているビル。当然これは文樹的にはアメリカの政府機関ということになる。その一室で、日本語吹き替えの白人(たぶんCIA)が文樹と会話。文樹お得意の、会話で全てを説明劇です。で、金正日はダブル(替え玉)で今のは二人目だ、日米欧露中みんなその事を知っている、とにかく文樹発案のプランを実行に移す、自衛隊から精鋭を集めて拉致被害者を救出だ!
                  そして自衛隊の朝鮮系兵士10人が集められ、ヒゲ面のカトーの下、フィルードアスレチックス秘密キャンプで特訓。しかし米軍に馬鹿にされた一人が便所で教官を射殺して自殺。憤り任務に疑問を抱く隊員台詞では14人9人に文樹が「俺もこのプランは無茶だと思う。反対だ。辞めても良いぞ」と言い、隊員全員がそちらに傾くが、そこでカトーが「日露戦争で工作した明石大佐になれ!君たち一人が一つの国を説き伏せて、北朝鮮を解放するんだ!」との大熱弁(これは真面目に必聴。凄まじく熱い)にほだされ、全員が作戦続行を支持。しかし3日の休暇を与えられて帰宅した一人が金に困って朝鮮総連に情報を売ろうとした事が判明。ここで先程のトークショーの話が生きてくるのか? その一人を全員が取り囲み、自決を強要。親を残して死ねんと抵抗する隊員を全員が自己批判と総括を強要し罵り、見事自決に追い込む。そして責任を感じたカトーもその拳銃で自殺。
                  でー、文樹(57歳)が指揮官として投入。潜水艦の模型の艦橋がチラッと映った後、既に全員が北朝鮮の海岸に! そして検問を突破した部隊は交換の集うホテルへ。「お名前を」「あっ!」白々しくインク壺をこぼして切り抜けた文樹達は、ホテルの一室に住む日本人拉致被害者達を確保。そしてトラックで米軍ヘリの降下地点に行くが、皆さん自分たちを見捨てた日本なんぞに興味はなく、めぐみさんやら八重子さんやら激怒して「私の故郷は北朝鮮だ!」と文樹達を罵る。でまあ、文樹映画だからヘリなんぞ降りて来る訳が無く、文樹達は捨て石にされた事を知る。
                  そして北朝鮮軍に包囲され、列車(蒸気機関車)に押し込められた文樹と拉致被害者達はそこに北朝鮮軍将校、そこに居合わせた正日の愛人(美人)と、金正恩(イケメン)を人質に取り、列車での逃亡を開始。
                  この辺でフィルム交換の休憩。たぶん1時間半ぐらい経っていたはず。手動のフィルム巻き器で文樹がぐるぐるフィルムを巻いた後、第二部スタート。「あと1時間、宜しくお願いします」。嘘つき。さらに80分ぐらいあったぞ。
                  蒸気機関車が走る中、福島の地元の老人達北朝鮮の国民が日本人に怒って鍬や鋤を持って追っかけてくるとか、追跡列車が追いかけてくるとか色々ある中、文樹達はロシア国境へ逃亡しようとする。しかし米軍機北朝鮮の戦闘機が飛んで来て、ミサイル攻撃! 正恩は「私の代になったらこの国を自由に良くする」とかいきなり人柄の良さをアピールして退場。そして将校の脅しに屈した潜入スパイが正日の愛人を連れて逃亡! 何とか正日の愛人を連れ戻した文樹だが、後ろからは北朝鮮軍の追跡部隊が! 走り出す列車を追いかける文樹はそこで後ろから撃たれ、無念の戦死。生き残った兵士と拉致被害者を載せた列車はロシアにたどり着けるか? その時!

                  ……いや、このラストは色々な意味でひどすぎる(笑)。あまりのひどさに監督に直接「あのラストは××が××に××されて××したんですか?」と尋ねたら、その通り。苦情来ても知らんぞ(笑、っちゃいけないんだが)。

                  文樹映画の旧作『天皇伝説』『ノモンハン』、『三島由紀夫』『赤報隊』あたりは事実上二部作で3時間以上する長尺で、本作は2時間半強ぐらいか。
                  文樹映画の特徴として、文樹主演、何でも台詞で説明する、しかもその台詞が聞き取りにくい、編集が雑で話がどう展開しているのかが理解できず、鑑賞者複数で相互に情報交換しないと理解できないとかあるのだが、本作もそれは同じ。何か大学みたいな建物が映ったらそれは政府機関の重要拠点なんだ、と観客が気を遣って先読みしないといけない。ふざけるな!(笑)
                  そんな感じで映像的には蒸気機関車の型番がC20だったりC62だったりと場面が切り替わる度に違っている、ヘリや戦闘機はどこかで飛んでいるのをロングショットで撮影しただけ、北朝鮮軍がM16を使っている、銃を撃つシーンは銃口から火花が花火みたいに派手にシューシュー噴き出ている、自衛隊員は迷彩服のデザインやズボンがバラバラで「U.S.NAVY」なんて書いてあって、北朝鮮兵士は全員退役軍人みたいな年寄り、「貴様は朝鮮語を話せるな」「イエッサー」みたいな会話をしておきながら結局北朝鮮人と日本語で会話する、そもそも金日成と金正日が全然似ていない、こんな感じで全編これツッコミどころというか、高校の映研かよ!と言いたくなるような映像のオンパレードである。途中の休憩で若い女の子二人が帰ってしまったのも無理からぬ話である。

                  とこれだけ言いつつ、この映画、意外や面白い。文樹映画は前述の通りとにかく分かりづらい。しかも編集も粗いので、場面転換が乱暴で、本当によく分からない。だから山本薩夫の社会派を意識した『三島由紀夫』『赤報隊』当たりはもう眠気との戦いのような作品だったのだが、今回は後半を列車での逃亡という作劇に絞ったのが功を奏して、テンポの良い作劇もあり、緊張感を持って最後まで観る事ができた。何か自分で書いていて矛盾している気がするが、その通りだから仕方がない。今回の作品は、文樹映画としては明快な娯楽作品に徹していて、最後まで飽きずに観られた(←どれだけハードルを下げているんだ)。もっと編集に気を遣い、音声をクリアにして、適切な字幕でも入れれば、一皮剥けるんだけれどなあ。
                  それでも変な製作委員会の作ったワケワカな企画作品に比べれば、文樹のやる気がヒシヒシと感じられる本作には好感を持たざるを得ない。御年57歳の文樹が、若い女性をお姫さまだっこして、足場の悪い崖道を降りるシーンは、もう文樹ダイナミズムの真髄であるといえるかもしれない(女優さんの方が怖いよ)。これでトークショー付きで1000円なら、安いもの。次回作も期待しております。いや、人には勧めないけれどさ。
                  | 映画・TV | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |
                  梶芽衣子様64歳ライブ+佐藤蛾次郎
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                    梶芽衣子トークショー&ライブ〜日比谷に想いをよせて〜

                    はい、今年5月に新譜(といっても7曲27分のミニアルバムだけれど)を出した梶芽衣子様のトークショー&ミニライブが開催ということで、日比谷図書文化館に行って参りました。日比谷図書文化館リニューアル第1回特別展の<日比谷が熱く燃えた日 団塊の青春グラフィティ>の一環だそうです。最近コンサート付いてますな。>俺
                    19時開始、3000円、190名限定なれど指定でなく自由席という事で、18時半過ぎに到着。チケぴとかで販売していたようだけれど、一階の受付で当日券購入。そのまま地下の大ホールへ。真ん中当たりの空席を見付けて潜り込む。客の入りはほぼ満席でしょうか。やはり団塊世代のアイドルという事もあってか、周辺は白髪頭か禿親父がほとんどですな。だが、それがいい。
                    19時に開演。共同通信社編集委員の立花珠樹氏が出て来て、「本来なら記事を書かなきゃいけないんですが、会うことを優先しました」云々。トークが巧いですな。
                    という感じで、梶芽衣子様登場。紅のハンカチーフを左胸ポケットに差した黒のスーツに黒いシャツ、そしてサングラスに頭にこれまた黒のバンダナ。どうも6日前に階段から落ちて怪我したとの事で、瘤がまだ残っているらしい。久しぶりなのにお美しいお姿を完全に拝見できなくて、残念。でも中止にならなくて良かった。ただそのせいか、ごめんなさい、はっきり言って声が近所の床屋の婆さんみたいで、さすがにご自分で再三強調する64歳という年齢を感じさせましたわ。
                    それから『あいつの好きそなブルース』から3曲。これが歌になると、前のような艶は減ったものの、実に見事な声量。主に新曲中心なれど、『一番星ブルース』のカバーが絶品。どうしてこう、孤独なつぶやきの歌とかは合うんでしょうか。嗚呼、梶芽衣子様。
                    19:25ぐらいで歌終了後、トークショー。立花氏の相槌も巧いが、とにかく饒舌に喋る喋る。日比谷公園でアイスを食べている時にスカウトされた事、近所に日活本社があって松竹以外の映画会社もあるのでこの周辺はよく来ていた事、そして改名時は当時の日活のホテルで発表した事、酒が飲めないのにロケ先で助監督に飲まされて翌日アレルギーで顔がひどい事になって撮影中止になった事、撮影所からの帰り道、スターの乗る車を横目に見ながら渡哲也と舗装されていない埃っぽい畑道を駅まで歩いた事、事務所を移ってからのマネージャーが若尾文子を担当していて増村保造監督と縁があった事、『曽根崎心中』は宇崎竜童が12月に19日しかスケジュールが取れずに原作を決めないといけないのに提案する書籍がみんなダメ出し喰らっていたのに、マネージャーが出した『曽根崎心中』があっさり決まった事、金がないので宇崎竜童にタダで音楽やって貰った事、その後音沙汰無しで新譜の作曲を頼んだら怒られた事、『銀蝶渡り鳥』は女性版『ハスラー』とプロデューサーに言われて洋服で撮影を進めていたら、藤純子引退でいきなり着物を持って来られてその場の砂利道で撮影されてあの有名な写真は大嫌い、等々。従来スルーしがちだった『さそり』話も今回は饒舌。「今回は嘘つかない、現代劇だ」と原作漫画渡されたら怖いんで伊藤監督に「一言も喋りません」と蹴られる覚悟で言ったら一週間ぐらい監督が考えてOKした事、服装とかは自前で考えて漫画チックにした事など。『キルビル』の時も平尾事務所から歌を使うと言われてOKして、3年ぐらい経って映画が出来たとか、タランティーノ来日時に「梶芽衣子に会わせる」という要求が本人抜きで合意されていた事、で、来日時にホテルのワンフロアを巡回する形での記者会見に30分ぐらい付き合ったら、握手して座ってそのままタランティーノがずっと手を握ったまま離さず「気持ち悪い」とかあんまりな御言葉(観客爆笑)。
                    でー、20:10辺りでトークショー打ち切りで、歌3曲。トリは「私はお祝いの曲を持ってないんですよ」云々と言いながら、待ってました!『怨み節』! 生で聴くのは二度目なれど、もう感激。聞き惚れてしまいましたわ。終了後アンコールの拍手に、舞台袖から立花氏と腕組んで登場し、挨拶して20:20ぐらいで終了。そこで客席後方左手から、花束を持った佐藤蛾次郎氏が登場! 場内沸騰。後、松竹の竹田プロデューサーも。
                    いやもう、『女の呪文』『別にどうってことでなし』を聴きたいというのは別として、梶芽衣子様、フルスロットルで実に素晴らしいというか面白い90分弱でした。帰り際も、お客さん達大喜びで、「改めてファンになった」と熱弁していたオヤジとかいて激しく同意。先着という条件なれどミニサイン色紙付きだったので、販売していた新譜も買っちゃいましたよ。これで2枚目。俺も二枚目だから構わんッ。
                    「来年もやりたい」とおっしゃってましたが、はい、是非お願いします! 嗚呼、梶芽衣子様、梶芽衣子様。
                    | 映画・TV | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |
                    ゴブリン来日
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                      イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル秋の陣2011―夢のまた夢
                      まー、色々あるけれど、要はゴブリンが来日コンサートというので、川崎のクラブチネッタまで行って参りました。18時会場、19時開始ということなれど、物販があるので、なるべく早めに行くのが吉。実際、ゴブリンの限定Tシャツは売り切れていたし。ちなみに10名に抽選で色紙が当たりますよ。
                      んで、19時よりTHE TRIP。ごめんなさい、俺よくわかんね。20時に終了。20分休憩というアナウンスがあったのだけれど、10分しかなかったような。
                      20時10分より、ゴブリンの演奏開始。
                      ゴブリンと言えばシモネッティ、モランテ、モランゴロー、ビニャテッリがやはりゴールデンメンバーだと思うのだが、この辺りはメンバーが入れ替わり立ち替わりで、シモネッティが抜けて2000年に解散したと思えば、モランテとモランゴローとピニャテッリがバック・トゥ・ザ・ゴブリンを結成してまた解散、モランゴローとピニャテッリがゴブリン・リバースとして活動する中、今回来日したのはシモネッティとモランテ、その他三人のメンバーである。ちなみにシモネッティはモランゴローらとは完全に決別したらしく、ゴールデンメンバーでの再結成は夢のまた夢のようで。
                      演奏はステージ向かって左にシモネッティ、真ん中にギターのモランテ。
                      最初に『サスペリア2』(メインテーマではない)、その後『ローラー』『マークの幻想の旅』等の地味目の曲が続いた後、21時ぐらいから『ゾンビ』メインテーマとゾンビ、『サスペリア』『シャドー』『フェノミナ』『サスペリア2』あたりが演奏され、後半はノリノリに。個人的には『アクアマン』をやって欲しかったのだが。
                      ただ、気になったのが全部アレンジが加えられているのですな。デモニカ時代のシモネッティのアルバムを聴いた時も感じたのだが、オリジナルがピアノ曲でも行けるような繊細で技巧的な曲調なのに、これをハードロック調にアレンジするのはどうも違和感が。つーか、ベースとドラム掻き鳴らして、キーボードのシモネッティとギターのモランテが何か手を抜いているように見えるんですな。真ん中に立っているのに、モランテの空気っぷりが妙に目立つというか(『サスペリア2』のメインテーマでは殆どソロに近いけれど)。まあ音楽に関しては素人なので、そういう印象を受けたという感じで。つーか、誰か否定して。今度は出来れば変にアレンジしないで、オリジナルで演奏してくれないかしらんと思いましたことよ。
                      まあそんな感じですが、とにかく生でゴブリンのメンバー、そして『ゾンビ』のテーマをノリノリで聴けたので、おいちゃんはうれしかったです。考えてみれば観客の殆どが30〜50代のオッサンばかりで、何か氷川や韓流のコンサートに群がるオバハンを笑えんぞ、こりゃ。21時40分に終了。
                      その後20分休憩で、最期にPFM登場。背景に無声映画や土人の儀式(何か縄でターザンごっこしたり、フィールドアスレチックスみたいなのを楽しんでいる)やベニスの洪水の映像をバックに、演奏。ゴブリンと違ってオヤジギターが力一杯演奏していて、個人的には曲は地味なものの、バンドとしての完成度は高いかなーと。一度終わった後アンコールで登場、客をいぢりまくって、結局2曲スタンディングオベーション。んー、トリにふさわしく、気持ちよござんした。
                      おかげで終了したのが23時半。何とか京急川崎の23時48分発の最終特急に間に合いましたが、終電の関係か、途中で席を立った人がいたのには同情致します。
                      | 映画・TV | 23:59 | comments(2) | trackbacks(0) | - | ログピに投稿する |